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北関東周遊ツーリング ~ヒカリゴケはいつも見えない~

赤城神社を擁し佇む大沼


3週連続でツーリングというのもえらく熱心なものだと自分で感心するが、これまでの2回はむしろリハビリ。今回が、リターン後初のツーリングだ。

今回も、秩父にも一緒に行ったP君と同行。これまたえらく仲良しな感じだが・・・まあ、いろいろあってこうなった。

今回も元気に5時起床。前述24時頃まで仕事していたがバッチリ目が覚める。
そして今日、はじめてバイクETCを実用する。ちゃんとゲートは開くのか?ちょっとドキドキするが、インジケーターがしっかり点灯しているので大丈夫だろう。実際、何の問題もなかった・・・当たり前だが。

蓮田SAでP君と待ち合わせたが、東北道が混雑しつつあったので先を急ぎ、佐野SAへ。

ちなみに、高速道路をNinja250SLで走るのは初めてだったが、感想としては「意外と走れる」。

絶対的なパワーがないので、正直遅い。タイヤも心細い。しかし、そういう問題が顕在化するのは追い越し車線での話だ。追い越され車線のペースで走る限りにおいては、エンジンもさほど唸らないし、さしたる不安感もなく走行できた。調子こいて追い越し写真に入ると、余力がないのでコントロール性が落ちて気を遣うし、ぶっ飛ばししてる車輌と同じペースでは巡行できない。何キロくらいとは敢て言わないが、混雑時の追い越し車線は全開でついて行けるが、空いている追い越し車線では他車の壁になるので遠慮しよう、というくらい。
・・・こう言うとつらそうだが、逆に言えば一番右を走らない限りは無理なく走れるのだから良い。

佐野SAでたこ焼きを食おうかと思ったが時間が早過ぎて準備中だったため、いもフライを食う。いもフライは佐野厄除大師あたりで食ったことが何度かあるが、それとはまた違ったレシピだった。 衣が厚いというか、衣に芋が入ってる?まあ、わりと食べごたえがあってコストパフォーマンスは悪くなかった。

佐野を出て、栃木ICから降りる。やはりETCは良いな・・・ノンストップは楽だし、割引もあるし。ま、割引額より遥かに高い取り付け費用がかかってるから、元を取るにはせっせとツーリングしないといけないが。

今回のメインはPくんが行ってみたいと言ってたいろは坂だが、栃木から粕尾峠を越えるコースで行く。粕尾峠に並走する思川は俺が何度も釣りに来ているところなので、知った道だ。

バイクで走るのは久しぶりだが・・・いつも通りなので写真とかは割愛。

この峠はわりと楽しい。上りは緩めのカーブで気楽なワインディングが大半。前半は粕尾の集落も通るので、飛ばし過ぎは禁物だけど、田舎景色を愉しみつつ快走といった感じ。田んぼがあって家がポツポツあって、山があるみたいな。

峠から先、足尾へ向かって降りていく道は酷い。林道レベルに比べればマシだが、水も出てたり、舗装が割れてたりするので、調子こいて攻めない方がよいと思う。けど、山深いタイトコーナーの道をトコトコ降るのが嫌いじゃなければ楽しい道だ。

足尾に抜けてから、 グランドキャニオンを見に寄ることにした。

・・・いや、ツーリングマップルに書いてあるんだ。「日本のグランドキャニオン」て。松木渓谷?

ただ、いざというところで一般車通行止めだったので、たぶん自分たちが見たのはその端っこだけのような気がする。

とは言え、7段の巨大砂防ダムなどはちょっと面白い景色だった。水もいやに碧く、「これ銅が酸化してるのか?」とか思ってしまうきれいな色だ。


砂防ダムから下流を見下ろす


さっと引き揚げてしまったが、銅山跡などは良く見るとちょっとファンタジック?スチームパンクチック?で面白そうだった。今度もうちょっとゆっくり見てみたい気もした。また来よう。


足尾から122号に戻り、一路北へ。大型トラックの後ろをダラダラ走りつつ、「あー、結構フライマンいるなー、この辺やっぱ釣れるんだなー」なんて考えていたらほどなく、いろは坂の登り口に到着した。

トイレ休憩していたら、昔バイクに乗っていたという爺さんに話しかけられ、なぜか写真まで取られた。P君は赤のNinja400で、俺はライムのNinja250SLなので、戦隊みたいで面白かったのだろうか。

「明智平で集合」ということでP君を先にやりつつスタートしたが、やはりムズムズするしせっかく2車線あるので、すぐに先に行くことにした。

急登坂なので29馬力の非力さも際立つ(笑)。
Ninja250SLでリターンしてから2度のツーリングはなぜか林道を行っていたため、こんな、ザ・峠という感じの道も久しぶりで最初は戸惑ったが、徐々に慣れてきて、5000回転から上くらいを維持しながら走る・・・と・・・うはははは!面白いなコレ!

ここ5年以上スクーターしか乗ってないから他と比べるのは難しいけど、軽くてよく寝る車体でうっかりすると内側に切れ込んでしまったりするくらい。まだまだビビリミッターもあるし、安全第一のおっさんですから限界まで攻めようとも思わないが、それでもレブリミットまで回しきってしまったりするのも、「回しきった感」が味わえてよい。それでいて、爽快感を味わうに十分なペースでは走れる。

楽しいですよ、このバイク。

ただ、やっぱり音がちょっとなあ。もうちょっと五感に訴える感じが欲しいなあ、とは思う。

明智平

明智平はいつも通り。ここも、湯川での釣りのために毎年一度くらいはクルマで来ていたので、見慣れた感じ。ただ、なんとなくバイクで来るとやはり楽しい。同じ場所でも印象がちょっと違う・・・到達の達成感みたいなものだろうか。あと、他のバイクを見ると感じる微妙な仲間意識とか。声かけたりはしないんだけど。(P君は、隣に停まったGSRか何かの人に頼まれてバイクとライダーの2ショット?写真を撮影していた。)

中禅寺湖は俗っぽいので走りながら横目で見るだけでスルーし、三本松駐車場に。ここは・・・道の駅ではない?

昼飯を食ったのはたぶん3つあるうちの真ん中の店。三本松茶屋。
蕎麦の冷たいのがぶっかけメニューしかないというのが謎だが・・・(ざるとかもりがない)、それを頼んだ。蕎麦はコンニャク系の栃木らしい蕎麦で美味かった。けど、具が湯葉ばっかりだったので、1200円くらいという値段のわりに物足りなかった。湯葉のコストがわからないので、実際のところ割高なのかそうでないのかは不明だが、感覚的には「こんだけか・・・天ぷらのひとつくらい欲しかったなあ」という感じ。けどまあ、そのくらいは織り込み済みでの注文なのでこれよい。出し巻き湯葉?みたいなものも、味は悪くなかったし。精進料理みたいだけど。


店を出て、なんとなく今度は左側の店↓でソフトクリームを買う。実は、まえに釣りでこっちに来た時に右の店のとちおとめソフトだかは食っていたので、単に目先を変えただけだが・・・・

ソフトクリームうまい

これは大正解だった。この店、竜胆(りんどう)のソフトクリームは美味い。濃厚ねっとり系で、ちょっとのびるような奴。このタイプは好きだわ。

戦場ヶ原にはまた来ると思うので、その時は飯もここで食ってみようと思った。

というか、竜胆と書いてリンドウと読むとは知らなんだ。確かに戦場ヶ原で釣りしてたらリンドウは良く見た。なるほど。


さすがにここらに来ると、ライダーもいろいろいる。ロスマンズのNSRやら、むしろ最近そこらじゅうでみかけるBMWやら、ドカティ集団やら。

まあ、俺のツーリングの目的はライダースポットでだべることではないので、それらをしつこく眺めることもなく先へ進む。

金精道路は名前の面白さ(金精って、つまりおチンだよね?しかも起立してる)もあって気になっていが、わりとなんでもない山道だった。湯の湖を見下ろす景色がいいのだろうが、日光白根山に二度登っているのでその景色はわりと見飽きているからだろうか・・・。

峠を越えてからの茶屋で310円のすいとんと言うのが気になったが、腹減ってないのでパスした。

それからはしばらく移動区間。ワインディングではない古い街道といった感じの道で「吹割の滝」へ。ここは「東洋のナイアガラ」だそうで。グランドキャニオンに続いてナイアガラまで見学できるとは、東北道は北米大陸に通じていたらしい

「滝の駅」というのが何なんだかさっぱりわからず駐車スペースに迷ったが、まあ停めていいらしいということで適当に停める。何かスナック程度食おう・・・と思ったのだが、残念ながら食指の動くものが見当たらず食わずじまいだった。観光スポットとして発展するためには、なんかあともう一工夫したら良いんじゃないか、と思えるな。

滝に降りる道の途中にもしつこく土産屋があるが、そのうちのひとつが「滝の裕ちゃん」なるチラシを掲げていた。滝の、というかどう見ても石原裕次郎の写真だったので、「これが滝の裕ちゃん?これは違うだろ?」なんてペラペラ喋っていたら、店先にいつ間にか立っていた店主につかまり無駄話を聞かされた。銀座のママがどうのこうの、というくだりはさっぱり文脈不明だったが、① 店主が滝の裕ちゃんであり、裕ちゃんと一緒に歌ったこともある(顔は違う。飾ってる写真は裕次郎本人が大半) ② 「カラオケ無料サービス」は歌わせてくれるのではなくて歌ってくれるもの、という2点はわかった。

滝の裕ちゃんの店。パンクだ。



十割蕎麦なんてのも出してるようだから食ってみたい気がしたが、1時間前に蕎麦食ったばかりなので遠慮した。次回があれば食ってみよう。


東洋のナイアガラ
吹割の滝は自然の造形としては面白いけど、東洋のナイアガラはちょっと言い過ぎてると思った。構造的な比喩なのかも知れないが、「栃木のナイアガラ」くらいでいいのではないだろうか。

散策路は周遊可能になっており、たいていの人が半時計周り(滝を左手に見て川上に進む)で歩く。上がり切ったあたりに吊り橋があり対岸に渡ることができる。

この吊り橋で、おばさんと婆さん(親子旅行かな)に、「この先はどこにつながっていますか?」と聞かれる。今日はあちこちで声をかけられるので、夏日の中で合皮ジャケットとブーツを履いた俺がそんなにフレンドリー に見えるのだろうかとちょっと不思議に思う。・・・昔は「とっつきにくい」と言われたものだが、重ねた年齢により丸さが出たのだろうか。自分でも、マイルドになった自覚はあるが・・・。

ただ、「周遊になっていて、進んでも元の場所に戻ります」という回答までは正確だったはずだが、ついでの「どのくらいの距離ですか」に、「ここまでと同じくらいじゃないですかね」と答えたのはまずかった。実際に行ってみたら、右岸の道は高く巻いており、坂な上に倍くらい距離があったのだ。婆さんには無理そうだった。

婆さんにはすまないことをしたと思ったが、もしまだ旅行を楽しまれるなら、俺のようにどう見てもストレンジャーな男に道を聞いたりしない、という学習をしておいていただけたらと思う。人生において勉強というものは死ぬまで終わらないのだ。

東洋のナイアガラでは山藤が。


わりと進みがよく、まだ日も高かったが、近くの温泉に行って一休みすることに。というのも、P君は何も言わなかったが、明らかに疲れて集中力が切れていた。経験も浅い上に、俺と集合する前に東京縦断もしているので当然だろう。そろそろまとまった休憩が必要に思えた。

少し走ったところにある「しゃくなげの湯」へ移動。ここで風呂に入り、一瞬昼寝。そして飯も食うことに。

そばも美味いのだが、「上州沼田とんかつ街道」という旗印に惹かれてロースカツ定食をチョイス。Pくんはソースカツ丼。それも美味そうで少し羨ましかったが、配膳の際に昼飯に続き、P君のより俺の方が可愛い田舎娘が運んできたので自分の選択の方が正しかったと考えることにした。

まあ、そういう慣れない冗談はさておき、言うだけあって肉厚で美味いとんかつでした。キャベツにドレッシングがかかっていたことだけが残念。俺はロースカツ定食を自分でソースカツ丼状態にして食うのが好きなのだ。まあ、茶わん蒸しもついてたし、いいです。


ライフを75%程度には回復したところで、沼田から帰るのは早いだろうと赤城を抜けることに。

そしてツーリングマップルで見つけた「ヒカリゴケ自生地」の文字。

「ヒカリゴケ自生地」。ツーリングマップルを仔細に眺めているとときどき見つかるのだが、行ってヒカリゴケを見られたことは一度もない。きっと今回も見られないのだろう、と思いつつ、だからこそ行く !

場所(ターゲット)はツーリングマップル関東版(2016)のP.54 F2だ。どうせろくな案内もないので注意して探索する必要がある。

赤城道路は思ったより面白く「ああ、多しか頭文字Dでも『赤城のなんちゃら』っていたかな」みたいなことを考えつつ、左手に注意して走る。冬季閉鎖区間のゲートと思しきものを過ぎて、そろそろか・・・と警戒を強めていると、右手に寂れた駐車場があり・・・「ヒカリゴケ」の文字が!

数m通り過ぎたが戻って駐車し、周囲を見渡すと・・・


赤城のヒカリゴケ自生地
コンクリートで被覆された崖の裏の隙間に、鉄柵で保護された空間がある。

斜面を少し上り、中を覗く・・・・。

やはり、俺にはヒカリゴケらしきものは見えなかった。 ただのコケなら生えてたけど、あれは絶対ただのコケだ。スギゴケかな。

しかし、場所は合ってるのだ。なにせ、よく見れば非常にわかりにくい立て札もある。

跡地!?


赤城山砂川のヒカリゴケ自生地の跡地

・・・って、跡地かよ!?

やはりヒカリゴケというのは生半では見られないようだ。というか、まだ自生地はあるのだろうか?Wikipediaを見たら載ってそうだが、恐ろしくて見られない。




ヒカリゴケ駐車場。だがヒカリゴケはない。

代わりに、看板の下に花束ならあった。ペットボトルの水も数本。どう考えても誰か死んでる。 ほとんどクルマも通らない峠道の、とりわけ寂れた駐車場。で、これかあ・・・。

言いようのないうら寂しい雰囲気で、微妙なテンションのままに赤城神社を目指す。

気付けばよい時間で、赤城神社についた頃にはもう19時を回っていた。が、思えば夏至も近いからか、まだ陽がある。

日曜だと言うのに、大きな神社にも人がほとんどおらず、不気味さすら感じたが・・・さっきなんだか縁起もよくない感じだったしなと、ポケットの小銭で悪しからずだが、お参りもしてみた。

それから少し歩くと、どうやら自分たちが停めたところは裏手だったようで、表側にはまだ少し観光客がいた。

そして冒頭の写真の風景。

赤城神社、大沼

雲が増えていたので午後はどんよりしていたが、西に晴れ間が出ていた。黄昏の大沼に輝く雲のコントラスト、そして写真では残念ながら影になっているが神社への朱色の橋と。

なんだが縁起のよさげな景色を見て、気分よく赤城山を後にすることが出来た。


その後は、やけに家畜臭のするエリアで大量の羽虫をヘルメットとバイクとジャケットにこびりつかせながら、渋川伊香保ICで関越に入る。

上里SAで最後の休憩をしてP君と別れ、さいたまへと帰った。

別れたあとしばらくは並走したが、やはり高速では400CCについていくのはつらい。途中で諦めて、追い越され車線の巡行に切り替えました。

今回のツーリングは走行距離380km。リターンして初、本当に久々の長いツーリングで楽しかった。

Ninja250SLは、満タン発進で給油一回、帰宅してまだ余りは十分ある。細い見かけのわりには航続距離があって気楽だ。

それと、峠では噂に違わぬ運動性能で楽しめた。ただ、ゴム製のステップがちょっと嫌だった。見かけも気に入ってなかったが、ちょっと調子がついてきて腰をずらしながらのコーナリングになると、どうもゴムが滑る気がするし、グニグニする感じも落ち着かない。これは早々に交換しようと思った。

あと、今回初めて着用したゴールドウィンの(合)皮ライダースジャケットは実によかった。 寒くなかったし、「バイク乗ってる」という気もする。そして何と言っても変にバタついたりしないのが良い。ライディングに集中できるというか、余計なストレスを物理的にもメンタル的にも受けないで済むので、普通の服を着て走っていた時に比べて疲れがだいぶ軽減された。・・・こんなことなら、昔からこういうの着てれば良かったと思いましたよ。

Ninja250SLというのがツーリング用途としてどうなのか(最初はZ250SLにしようかと思っていたし)と少し心配していたところもあるけど、日帰りツーリングは少なくとも問題ないと思った。250なので大型に比べれば・・・とか当然あるが、前傾のキツさで腰や肩に来るとかそういうことは取りあえずなかった。シートが硬いという話もあるが、少なくとも俺のケツは大丈夫。特別痛くなる感じとかはない。唯一、ウィンカースイッチの位置が気に入らないが、これは汎用だから仕方ないのかなあ。
あと、同様に汎用部分だが、クラッチが遠くて左手が疲れた。これは、アジャスタブルなレバーに交換したいところだ。



ここまで3週連続なので、いい加減にしないと家族に怒られそうだが・・・早く次のツーリングに行きたいなあ。

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