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Ninja250SLで行く奥秩父、わらじカツ丼

さすがにこう月に何度もツーリングみたいな感じだとそろそろ妻子が難色を示し始めていたが、梅雨入り前でもあるので適当に言いくるめて、再び秩父へ。今度は秩父の西側、奥秩父方面にも足を延ばしてみました。

「あの」橋


一応、今回のメインテーマは「わらじカツ丼」を食う事です。




今回は再び、P君(仮名)と。道の駅あしがくぼに9時前にということで待ち合わせたので、俺は前回と同じく奥武蔵グリーンラインから行くことにした。

出発が6時過ぎだったため、さいたまから西への国道、県道にはところどころで渋滞もあった。前日は寝る前に妻のお喋りに付き合ってたので寝るのが1時過ぎになり、これ以上早い出発は睡眠時間的に無理だったので仕方なかったのだが、やはり今度からもう少し早く出たいなと思った。

とは言え、権道30号を逸れてからはさすがにクルマも少ない(というか、いなく)。鎌北湖で缶コーヒーだけ飲んで、軽く屈伸などしてから、Ninjaで二度目の奥武蔵グリーンラインを一気に走った。

顔振峠を目指し、さらっとスルーして刈場坂を目指す。徐々に市街地モードから峠モードへと走りを変えると、やはりこのバイクは面白い。なにせよく曲がるし、多少回転が下がっても単気筒のトルクでとことこ回るし、そのまま引っ張っても良し。しかも、ストレートで多少景気よくアクセルを捻っても、絶対的パワーがたいしたことないので、びっくりするほどのスピードは出ない。

しかも低めのギヤで高い回転を使うと、立ち上がりはよくなるのは当然として、アクセルを戻した時にぐっとエンジンブレーキがかかるので、コーナー侵入でたいしてブレーキをかけなくても自然に安全圏の速度まで減速できる。これは速い走り方ではないだろうが、少なくとも自分にとってはイージーでいてそれなりにスポーツ感が味わえるので愉快だ。

苅場坂峠を越えて次の開けた分岐が大野峠。ここで左の細い林道に入ると、道の駅あしがくぼに出られる。のだが、やたらタイトなコーナーが多い上に、えらい急な下りで、しかもコーナーに道路を横切る減速帯があるので、ペースは落として慎重に走る必要がある。ただ、下って行く前方に武甲山がそびえており景色はちょっといい。・・・写真撮ればよかった。


 あしがくぼで朝飯を食おうと思っていたのだが、「ずりあげうどん」は11時からだということで断念。なんでそんな遅いんだよ・・・。

仕方なく、売店で地元婆さん特製握りでも売ってるだろうからそれでも食おうと思ったが、それもまだ未着。やむなく、ねぎみそ饅頭と普通の饅頭を買って食ったが、ねぎみそ饅頭は結構うまかった。饅頭を食って、そろそろ出ようかと思ったら助六寿司やおにぎりが到着していた・・・それ食いたかった・・・。どうやら9時時くらいで入荷するらしい。次回からそういうものと思っておこう。

悔しいので、いも田楽的なものを買い、2串セットだったのでP君と一本ずつ分けた。ジャガイモの天ぷらに甘い味噌・・・くるみ入ってるかな?という感じので、そこそこ美味かった。

さて、ここからわらじカツ丼の有名店「安田屋」を目指そうかと思ったのだが、開店が11時らしいので時間が合わない。並ぶらしいのもちょっと嫌だし。ということで、三峰山の「大島屋」を目指すことにした。

秩父を抜けたあたりで「あの花」のあの橋を渡る。P君はオタクなので、俺が停車すればそれだけど意図を汲んでくれるのは助かる。

国道140号から、二瀬ダムの上を渡って三峰神社へ。が、ここで路線バスが2台も前方に入ってしまい、ひどいスローペースに。道が狭いのでバスはちょいちょい止まったり徐行したりするので、とにかくペースが遅い。イライラしても仕方ないので、広めの路肩でしばらく停車して、間をとってから走る、追いついたらまた停車、というのを3回くらいやってたら三峰神社に着いた。

まさかというか予想通りというか、神社の駐車場は有料であった。まあ、そういうこともあろうと思っていたのでいいけど、事実上行き止まりなんだから、道の入り口に書いておいて欲しいものだよなと思った。有料も結構だが、払うしかない状況で初めて有料と知らされるのってアンフェアな感じがしてちょっと嫌だ。

さて、駐車したらさっそく大島屋に向かい、迷いなくわらじカツ丼を注文。

わらじカツ丼

座敷が広くてゆったりしており、水も冷たくておいしかったのは良かった。



なんか親戚の婆さんの家のような風情

座敷のベランダには、統一感のない鉢植えがざっくばらんに花を咲かしており、また余った空の鉢植えが無造作に端に積まれており。開け放した窓からは蝶も侵入している。

タテハの仲間?

イメージ的には実家とか田舎に住む親せきとかの、広めだけど古い家に来たような気分を味わえるインテリアだ。俺には実際にはそんな親戚はいないが。

ただ、ベランダの向こうに見える山々の眺望はよく、時期柄か吐き出しの窓を全開にしているので空気も新鮮でなかなか気に入った。

肝心のわらじカツ丼。


何か「はみ出てる」とか「カツが2枚」、飯が見えないなどという話があちこちにあるので、さぞボリューム感があるのだろうと思ったが、そうでもなかった。

カツ自体が、普通のロースカツとかではなくて、生姜焼き用よりはちょっと厚いか?くらいのものなので、絶対的な量としてもたいしたことはない(少ないというわけでもないが、食えるかどうか心配するような量ではない)。甘めの醤油系たれがしみこませてあったり、カツ丼というより、天丼に近い気がした。豚肉天丼だけど衣をパン粉にしてみた、という感じ。むしろ、くどい店の天丼よりよほどライト。

で、味のほうは美味い。俺は七味をかけてしまったが、違和感なかった。そういう天丼ぽい味です。

価格が1000円というのが正直ちょっと高いなあ、と思ったが・・・地元産かと思われる立派ななめこの入った味噌汁、おしんこも付いたし、山奥の行き止まりでの営業なので割高になる部分もあるかなと思うと、まあ納得できる。

ただ、結構うまかったので、そうなると俄然、安田屋のものも食ってみたくなる。そのうち平日に来れたら食おう。

せっかく200円払って駐車もしたので 、三峯神社も拝むことに。

思った以上に立派な神社でびっくりした。なるほど、検索してみれば「関東一のパワースポット」などという言葉もちらほら。神社としての格付けはどのくらいか知らないが、市街地から離れた山奥の行き止まりにあって、これだけ巨木と立派な建築物とがあればそういう話にもなるか。

三峯神社。境内?参道?

これは・・・何か古くて立派でありがたいモノ。詳細は忘れた。

歩いていると、ゴールドチェーンネックレスにロレックス系ファッションのコワモテ中年男性二人連れの会話が聞こえてきた。兄貴分的な方が熱心に語っているのは、「・・・こう、歩いているとフッと空気が変わるというかね?そういう場所があるだろ?」「はあ、なるほど・・・まあ、俺はそういうのはちょっとよくわかんないですけど・・・」

・・・ある意味で素直な奴らだな、どっちも。


多くの人がありがたがって触るためにツルツルになった杉の木。実は、高尾山あたりの登山道にもこういうのはナチュラルにありがちだけど。

建物はいずれも豪華で、手入れというかメンテナンスが行き届いており色鮮やか。それが街中にあると俗っぽく見えたりもすることもあるけど、人里離れた山奥だとかえって俗世間とは別世界という雰囲気が感じられて、これがこういう色彩の本来の効用なんだろうと思える。異世界感というか。

それなりにパワースポットも堪能したし、一応、無事故も祈願しておいたので、あとは雁坂トンネルを通って甲府に抜け、中央道で帰る算段。

R140へ戻るために三峰山を下山する道は面白かった。行きはバスに引っかかってひたすらストレスのたまる山道だったが、帰りは車も少なく。

路面と見通しのよいコーナーもいくつかあり、ナチュナルに靴のつま先を擦って、「ああ、そういえばこういう事もあるんだった」と思い出した。

R140に戻ってからは敢えて反時計方向に少し遠回りし、雷電廿六木橋(らいでんとどろきばし)を走る。ループ橋=すごいカーブ=ハングオンみたいな連想をついしてしまうが、半径も大きいし普通の生活道路なので、実際はごく普通に通過する。むしろ橋からの眺めでも楽しむのが正解。


雷電廿六木橋
自分としては上り方向でループ前半を走っている時に眺めるループ後半部分の姿が、天空回廊的なイメージでかっこよかった。ちなみに、大成建設の作品で、デザイン的な工夫からいくつかの受賞もあるものらしい。

橋を上りきったところは滝沢ダム。わりと普通の重力式コンクリートダムだと思うが、ダム横に階段があってダム直下まで降りて行ける遊歩道になっていたりする。実は内部の見学なども出来るらしい。



が、この時点で俺はもの凄く眠かった。かつ、「晩飯は作る」と言って家族の了解を得ている以上、時間も残り少なかった。

なので、ダム見学は控えめにして、あずまやのテーブルに突っ伏して数分の昼寝をした。仕事中などでも俺はよく眠気に耐えられなくなるのだが、5分でも、あるいは数十秒でも、意識を失うことが出来れば眠気はだいぶ晴れる。なので、眠い時にはとにかくなんとか落ち着ける場所でわずかにでも眠るに限る。

ウグイスの鳴き声で目覚めて、道を確認して出発。そこからはほどなく雁坂トンネルに入る。この日は夏日だったが、トンネル内は非常に涼しい・・・というか寒かった。無用の長物のように思えていた合皮ライディングジャケットと腹巻きが遺憾なくその性能を発揮してくれて、快適に走行できた。

甲府で少し迷ったが、最後は道の駅甲斐大和で休憩し、無駄にソフトクリームなど食い、お土産にもろきゅう用味噌を買い、大月から中央道へ。

中央道は入る前から「大月から渋滞12km」とか書いてあったが、下道よりは楽だろうと突撃。たぶん下道よりは楽だったが、それでも渋滞はやはりちょっと疲れる。

そこそこ流れてもいたので、わりと時間は食わなかったが、中央道から首都高に入ってのC2、山手トンネルはぎっちり詰まっていて最悪だった。だいたい、同じトンネルでも雁坂トンネルが寒かったのにたいして、山手トンネルは轟々と煩くムワっとこもって蒸し暑く、埃臭い。それがまたしんどかった・・・。

とはいえ、やはり帰りを高速にしてしまうと1日の行程としてはだいぶ楽になる。特に、疲れや焦りがが出てきている帰り道を、一般道よりはるかに安全な高速道路でクリアしてしまうというのは、やはり良い。高速代もバカにはならないが、大人としては保険代のようなものと思って爽やかに乗っておくべきだな、と、S5をさいたまに向けて快走しながら思ったのであった。

今回、高速道路でも少し不安だったのが、やはり地味なNinja250SLのライト。車に見落とされてるんじゃないかという不安が終始付きまとう。これはやはり早々に、被視認性の向上が期待できそうなバルブに変えよう。

あと、やはりマフラーは変えたい。純正の音はなんとも上品で、やはりもうちょっとこう・・・帰りの休憩後、エンジン始動とともに疲れた体にアドレナリンを分泌させるような、アグレッシブなサウンドが欲しいなと思った。

今回、タイヤの両端の未使用域が右側だけさらに狭まった。三峯から下山の右カーブ中に「お」という手応えがあったので、その感覚の通りなのだが、やはりまだまだこのバイクのポテンシャルは余力があるようだ。バンク角命!みたいにムキになる年ではないが、やはり乗りこなす楽しみというのはあるものなので、無茶しない範囲で楽しんでいきたいところだ。

また、秩父に関して今後の宿題としては・・・・うどんが気になるので食ってみる、安田屋のわらじかつはやはり食ってみたい、秩父から長野に抜けるルートも試したい、などなど。ともかく、秩父が思ってたより楽しめる場所だとわかってきたのは嬉しいことだ。

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