前編は、こちら。
―11月21日、月曜日。俺は西伊豆は雲見の民宿で目覚めた。仕事を休む連絡はしていない。とぼけるつもりでいる。特別なことがない限りは自宅で作業をしているし、電話なども頻繁には来ないので、わざわざ休みますと言わないでも誰が咎めるというわけでもない。緊急事態のためにMacBook Airは持参している。これとiPhoneのテザリングがあれば、最悪ここでも多少の仕事はできる。
子供の頃に憧れた「温泉宿に長逗留して仕事する文豪」という自由な働き方に、近いと言えば近いが何か違う気もする。まあよい。割り切ろう。
宿泊していた雲見の民宿・三五郎の夕食は、それは豪勢なものだった。「通常コース」であってにも拘わらず、残すことを良しとしない俺は完食してしまい、「液キャベ買ってくればよかった」と思うほど。にも拘わらず、さらに朝飯も完食してしまった。本当にリーズナブルなのに良い宿だったが、問題がひとつ。
腹が苦しくて、昼飯を食える気がしない。
いや、宿に問題があるのではなく、単に俺の計画に問題があったわけだが、これでは、どうやらまたあのクエストは失敗のようだ・・・。
Ninja250SLというライトなバイクに乗っているが、俺は年季の入ったおっさんリターンライダーである。ツーリングマップルは、その源流となる「関東2輪車ツーリングマップ」の時代から愛用している。1985年に出版された緑色で今より二回りほど小さかったそのバイク専用マップをにゲットし、冒頭の写真で見た「青木さざえ店の伊勢海老ラーメン」。
伊勢海老かあ。食ったことないなあ。うまいんだろうなあ。ちょい高いラーメンくらいなら食えるか。そう思って眺めていた、まだ10代だった自分。
それから20年の歳月が経ち、もう伊勢海老も何度か食った。それこそ、前に泊まりでツーリングしたのは10年ほど前、2番目に入った会社を辞める頃に同僚とこの雲見に来た時で、そのときにも伊勢海老は丸ごと食っている。社員研修で千葉に行った時にも食ったかな。
だが、どうしてもこの「青木さざえ店の伊勢海老ラーメン」が気になって仕方ないのだ。はっきり言って、もはや味は想像できてる。伊勢海老の味を知っているだけでなく、この歳月の間に俺は料理もずいぶん上達したからだ。伊勢海老をラーメンに入れたらどうなるか、その結果の想像くらい出来る。きっと、驚くほど美味いものではない。伊勢海老のうま味はあるだろうが、まあ、そういう味というか、予想だにしない凄い味ということもないだろう。価格的にも、小さい伊勢海老というのは意外と安く食えるものだというのももう知っている。
だが、しかし。バイクは手に入れて、ガソリン代もままならない頃に地図を見ていつも眺めていたアレが、今年買った最新版のツーリングマップルにまだ掲載されているのを見て、どうしても確認してみたかったのだ。
はっきり言って今回伊豆に来たのはこのためだとも言える。
なのに。
とてもじゃないがラーメンが食えるコンディションではない。満腹だし、そもそも海鮮というものが足りすぎてしまっていて、頭での理屈とは別に体が「えび」なんて求めていない。
不覚。
なんで雲見までは何度も来ているのに今まで伊勢海老ラーメン食ってないんだろうと思ったが、つまり雲見に泊まってしまうからなのだと気付いた。雲見の民宿はすべからく大ボリュームの海鮮を提供してくるし、これまたなぜかいつも直前に沼津に寄ってしまう。なので二日目の昼に伊勢海老ラーメンなんて食えないのだ。
このコンディションで伊勢海老ラーメンを食ってもクエスト達成とは言い難い。P君とも相談し、今回は伊勢海老ラーメンはパスすることにした。次回、他に海鮮を食わないように注意して南伊豆まで来るルートを何とか考えて再チャレンジしよう。・・・なおいま時点では、「いっそ狙いを青木さざえ店のみに絞って高速・有料道路フル活用で日帰りしてみたらどうだろうか」というアイデアを思いついている。
さて、そういうわけで、青木さざえ店はパスするのだが、せっかくなので南伊豆には行ってみることにした。
いつものことながら宿を出る時にはバイクに乗るのも億劫になるのだが、乗ってしまえばワインディングで気分も乗ってくる。
海沿いのR136はほとんどクルマもおらず 、ほどよいコーナーが続く。あっというまに奥石廊崎(あいあい岬)に到着。
天気が下り坂でもはや空が鉛色なのが残念。晴天ならきっともっと素晴らしい眺めだろう。伊豆半島の基盤となる海底火山の噴出物である安山岩が崖に露出しているために、独特の景観となっているとかそんなことが看板に書いてあった。
強風と塩と貧栄養のせいか、草と松が這う崖は独特で、異国情緒すら漂う。
石廊崎にも寄ったが、俗っぽい感じだったのでトイレだけ行って先を急ぐことにした。
石廊崎のあたりでは、風の強さが一時的な天候のせいではないと裏付けるかのように風力発電所が見える。
近くで見たいなと思い適当に細い道を進んでいくと、すぐ近くまで行くことができた。
風力発電の風車は、近くでみるとかなり巨大で、しかも風を切る独特な音色が響き、ちょっと異様な雰囲気がある。見ている間になんでか一時停止して、そのギミックも観察できて面白かった。羽の回転軸に対して並行近くに確度を変えることで停止するようだ。
風車を眺めた後は、一気に下田の道の駅へ。黒船を模した遊覧船などあったが乗るわけもなく。道の駅は巨大で、すごい設備だが、逆に面白みにかけるというか、ライダー好みの場所ではない。会議室まであるし。ドライバー、観光バス向けだろう。P君は「このあたりの高校生のデートスポットだろう」と言っていたが、それはさすがにないだろう。いくら下田の高校生でも、彼女を干物屋に誘うようなシュールな真似はしないはずだ。
とは言え、さすがに泊まりなので家族に土産でもと思い、最近歴史好きの妻子のためにペリーの絵のついたチョコクランチを買った。ただ、渡したら「ペリーが来たのは浦賀。下田に来たのはハリス」と言われた(さらにその後確認したら、ペリーも浦賀の後に下田にも来たそうだ)。
いよいよ天候が怪しくなる中、 海沿いを離れて天城街道へ。道は良い。空いている。快走だ。
走っていて何かデジャビュを感じると思ったら、 このあたりは高校生の頃に修善寺の叔母の家に来た時、おじさんの原付を借りてツーリング?したあたりだ。調子こいて林道に入って派手にコケて、原付を傷だらけにして気まずい思いをしたのだったなあ。なんてちょっと切ない思い出に浸りつつ、「やっぱNinjaは原付と違ってよく曲がるぜ」と快走。
道は良かったが、天城越えの頃にはすっかり霧が出て寒くなってきた。
道の駅天城越えに寄ってみたものの、腹はまだ減らないし、アイス食いたい気温でもない。ホット缶コーヒーとタバコだけで一服し、伊豆スカイラインへ。
冷川ICで料金を払ったところでついにレインウェアを装着。ただ、着てしまえばもう怖いものなしというところもある。路面にだけ気を付けて発進。
一気に亀石まで走る。
写真のところは多少晴れていたが濃霧。そんな中でバイーンと走っていくと、わりと左に避けて先に行かせてくれるドライバーも多い。
だが、俺のSLは非力なので、追い越し加速が悪い。上り坂なら猶更だ。しかも霧で対向車や先のカーブが見えにくい。なかなか神経を使うことになったが、そもそも悪天候の平日とありクルマの絶対数が少なかったので、全体としては快走であった。
伊豆スカイラインはわりとペースの速い道だと思う。霧もあってセーブしていたのでNinja250SLでも程よかったが、晴れていたら少しパワー不足を感じるだろうという気がする。たぶん、日曜なら大型SSに煽られそうな気がする。まあ、マイペースで走るのが良いかなと思う。それでも、たぶん、周囲に比べて特に遅いということにはならないだろう(低速域での加速は良いし、コーナリングは楽なので)。
霧でシールドが曇るのでバイザーを開けて走っており、顔面のダメージ(特に眼)は相当だったが、防水透湿高級レインウェアを装着済みなのと、手は「ふくろ」がついているのでまったく濡れず、わりと惨めにはならずに走ることが出来た。家に帰ると机にメガネクリンビューがあり、 「ああ、これ持っていっておけばよかった」と思ったが。
その後は箱根・芦ノ湖のスカイラインをつなぎ、御殿場から東名へ。
もはや濃霧で景色も何も見えないので、さっさと進むことにした。
足柄SAで軽い食事をということでマックを食った。生魚が続いた後のフライドポテトは実に美味い。足柄の水で歯磨きをして、気分をさっぱりさせたところで雨の東名・首都高という最終ステージに挑むのであった。
途中わりと渋滞し、とりわけC2山手トンネルはバカみたいに詰まっていたが、20時頃には帰宅できた。
最後はちょっと雨にも降られたが、本当に10年ぶりくらいに引っ張り出したゴールドウィンのバイク用レインウェアの防水性は健在で、高速道路でもまったく沁みなかったので、どうやらまだまだ活躍してもらえそうだ。
また、今回後ろに荷物を載せるためにRokStrapというゴムバンドを使ったがなかなか具合がよかった。両端がループになっていて真ん中にバックルがついているゴムバンドなのだが、片方をタンデムシートの下のフレームの穴に通しておいたので、コンパクトに安定して荷物を固定できた。
Ninja250SLのクソ狭いスペースでも、このストラップの半分くらいは格納できるのでそのまましまってある。バックルの反対側の半分はタンクバッグに入れておけば、不意の荷物などもわりと楽に積めそうだ。
Ninja250SLはやはり舗装林道やそれに近い雰囲気の道にはよく合っていると思う。松崎に抜ける細い道(伊東西伊豆線)は、過去に400ccや600ccのバイクで通っているが、今回が一番楽に感じた。細かい峠のNinja250SLは、楽しく走って疲れない。
久々に温泉にも入り、良い宿でうまい魚も食って地酒も呑んでと、冬を前に実に楽しいツーリングであった。
けど、人間は欲張りだな。
ツーリングが楽しかったからこそ、「伊勢海老ラーメンクエスト」「ジビエ(猪肉)クエスト」「アンコウ鍋クエスト」といったメニューがすでに頭に浮かんでいる。
―11月21日、月曜日。俺は西伊豆は雲見の民宿で目覚めた。仕事を休む連絡はしていない。とぼけるつもりでいる。特別なことがない限りは自宅で作業をしているし、電話なども頻繁には来ないので、わざわざ休みますと言わないでも誰が咎めるというわけでもない。緊急事態のためにMacBook Airは持参している。これとiPhoneのテザリングがあれば、最悪ここでも多少の仕事はできる。
子供の頃に憧れた「温泉宿に長逗留して仕事する文豪」という自由な働き方に、近いと言えば近いが何か違う気もする。まあよい。割り切ろう。
宿泊していた雲見の民宿・三五郎の夕食は、それは豪勢なものだった。「通常コース」であってにも拘わらず、残すことを良しとしない俺は完食してしまい、「液キャベ買ってくればよかった」と思うほど。にも拘わらず、さらに朝飯も完食してしまった。本当にリーズナブルなのに良い宿だったが、問題がひとつ。
腹が苦しくて、昼飯を食える気がしない。
いや、宿に問題があるのではなく、単に俺の計画に問題があったわけだが、これでは、どうやらまたあのクエストは失敗のようだ・・・。
この日はひたすら曇天、そして濃霧→雨だったので写真があまりないです。 |
Ninja250SLというライトなバイクに乗っているが、俺は年季の入ったおっさんリターンライダーである。ツーリングマップルは、その源流となる「関東2輪車ツーリングマップ」の時代から愛用している。1985年に出版された緑色で今より二回りほど小さかったそのバイク専用マップをにゲットし、冒頭の写真で見た「青木さざえ店の伊勢海老ラーメン」。
伊勢海老かあ。食ったことないなあ。うまいんだろうなあ。ちょい高いラーメンくらいなら食えるか。そう思って眺めていた、まだ10代だった自分。
それから20年の歳月が経ち、もう伊勢海老も何度か食った。それこそ、前に泊まりでツーリングしたのは10年ほど前、2番目に入った会社を辞める頃に同僚とこの雲見に来た時で、そのときにも伊勢海老は丸ごと食っている。社員研修で千葉に行った時にも食ったかな。
だが、どうしてもこの「青木さざえ店の伊勢海老ラーメン」が気になって仕方ないのだ。はっきり言って、もはや味は想像できてる。伊勢海老の味を知っているだけでなく、この歳月の間に俺は料理もずいぶん上達したからだ。伊勢海老をラーメンに入れたらどうなるか、その結果の想像くらい出来る。きっと、驚くほど美味いものではない。伊勢海老のうま味はあるだろうが、まあ、そういう味というか、予想だにしない凄い味ということもないだろう。価格的にも、小さい伊勢海老というのは意外と安く食えるものだというのももう知っている。
だが、しかし。バイクは手に入れて、ガソリン代もままならない頃に地図を見ていつも眺めていたアレが、今年買った最新版のツーリングマップルにまだ掲載されているのを見て、どうしても確認してみたかったのだ。
はっきり言って今回伊豆に来たのはこのためだとも言える。
なのに。
とてもじゃないがラーメンが食えるコンディションではない。満腹だし、そもそも海鮮というものが足りすぎてしまっていて、頭での理屈とは別に体が「えび」なんて求めていない。
不覚。
なんで雲見までは何度も来ているのに今まで伊勢海老ラーメン食ってないんだろうと思ったが、つまり雲見に泊まってしまうからなのだと気付いた。雲見の民宿はすべからく大ボリュームの海鮮を提供してくるし、これまたなぜかいつも直前に沼津に寄ってしまう。なので二日目の昼に伊勢海老ラーメンなんて食えないのだ。
このコンディションで伊勢海老ラーメンを食ってもクエスト達成とは言い難い。P君とも相談し、今回は伊勢海老ラーメンはパスすることにした。次回、他に海鮮を食わないように注意して南伊豆まで来るルートを何とか考えて再チャレンジしよう。・・・なおいま時点では、「いっそ狙いを青木さざえ店のみに絞って高速・有料道路フル活用で日帰りしてみたらどうだろうか」というアイデアを思いついている。
さて、そういうわけで、青木さざえ店はパスするのだが、せっかくなので南伊豆には行ってみることにした。
いつものことながら宿を出る時にはバイクに乗るのも億劫になるのだが、乗ってしまえばワインディングで気分も乗ってくる。
海沿いのR136はほとんどクルマもおらず 、ほどよいコーナーが続く。あっというまに奥石廊崎(あいあい岬)に到着。
あいさい岬、という呼称は失敗だと思う。 |
天気が下り坂でもはや空が鉛色なのが残念。晴天ならきっともっと素晴らしい眺めだろう。伊豆半島の基盤となる海底火山の噴出物である安山岩が崖に露出しているために、独特の景観となっているとかそんなことが看板に書いてあった。
強風と塩と貧栄養のせいか、草と松が這う崖は独特で、異国情緒すら漂う。
石廊崎にも寄ったが、俗っぽい感じだったのでトイレだけ行って先を急ぐことにした。
石廊崎のあたりでは、風の強さが一時的な天候のせいではないと裏付けるかのように風力発電所が見える。
近くで見たいなと思い適当に細い道を進んでいくと、すぐ近くまで行くことができた。
石廊崎の風力発電機。でかい。 |
この方がスケール感がわかりやすいだろうか。 |
風力発電の風車は、近くでみるとかなり巨大で、しかも風を切る独特な音色が響き、ちょっと異様な雰囲気がある。見ている間になんでか一時停止して、そのギミックも観察できて面白かった。羽の回転軸に対して並行近くに確度を変えることで停止するようだ。
風車を眺めた後は、一気に下田の道の駅へ。黒船を模した遊覧船などあったが乗るわけもなく。道の駅は巨大で、すごい設備だが、逆に面白みにかけるというか、ライダー好みの場所ではない。会議室まであるし。ドライバー、観光バス向けだろう。P君は「このあたりの高校生のデートスポットだろう」と言っていたが、それはさすがにないだろう。いくら下田の高校生でも、彼女を干物屋に誘うようなシュールな真似はしないはずだ。
とは言え、さすがに泊まりなので家族に土産でもと思い、最近歴史好きの妻子のためにペリーの絵のついたチョコクランチを買った。ただ、渡したら「ペリーが来たのは浦賀。下田に来たのはハリス」と言われた(さらにその後確認したら、ペリーも浦賀の後に下田にも来たそうだ)。
いよいよ天候が怪しくなる中、 海沿いを離れて天城街道へ。道は良い。空いている。快走だ。
道路脇にも当たり前のようにワサビ田が。 |
走っていて何かデジャビュを感じると思ったら、 このあたりは高校生の頃に修善寺の叔母の家に来た時、おじさんの原付を借りてツーリング?したあたりだ。調子こいて林道に入って派手にコケて、原付を傷だらけにして気まずい思いをしたのだったなあ。なんてちょっと切ない思い出に浸りつつ、「やっぱNinjaは原付と違ってよく曲がるぜ」と快走。
道は良かったが、天城越えの頃にはすっかり霧が出て寒くなってきた。
道の駅天城越えに寄ってみたものの、腹はまだ減らないし、アイス食いたい気温でもない。ホット缶コーヒーとタバコだけで一服し、伊豆スカイラインへ。
冷川ICで料金を払ったところでついにレインウェアを装着。ただ、着てしまえばもう怖いものなしというところもある。路面にだけ気を付けて発進。
一気に亀石まで走る。
もうすっかりバイクが可哀そうな天候 |
だが、俺のSLは非力なので、追い越し加速が悪い。上り坂なら猶更だ。しかも霧で対向車や先のカーブが見えにくい。なかなか神経を使うことになったが、そもそも悪天候の平日とありクルマの絶対数が少なかったので、全体としては快走であった。
伊豆スカイラインはわりとペースの速い道だと思う。霧もあってセーブしていたのでNinja250SLでも程よかったが、晴れていたら少しパワー不足を感じるだろうという気がする。たぶん、日曜なら大型SSに煽られそうな気がする。まあ、マイペースで走るのが良いかなと思う。それでも、たぶん、周囲に比べて特に遅いということにはならないだろう(低速域での加速は良いし、コーナリングは楽なので)。
霧でシールドが曇るのでバイザーを開けて走っており、顔面のダメージ(特に眼)は相当だったが、防水透湿高級レインウェアを装着済みなのと、手は「ふくろ」がついているのでまったく濡れず、わりと惨めにはならずに走ることが出来た。家に帰ると机にメガネクリンビューがあり、 「ああ、これ持っていっておけばよかった」と思ったが。
その後は箱根・芦ノ湖のスカイラインをつなぎ、御殿場から東名へ。
もはや濃霧で景色も何も見えないので、さっさと進むことにした。
足柄SAで軽い食事をということでマックを食った。生魚が続いた後のフライドポテトは実に美味い。足柄の水で歯磨きをして、気分をさっぱりさせたところで雨の東名・首都高という最終ステージに挑むのであった。
途中わりと渋滞し、とりわけC2山手トンネルはバカみたいに詰まっていたが、20時頃には帰宅できた。
最後はちょっと雨にも降られたが、本当に10年ぶりくらいに引っ張り出したゴールドウィンのバイク用レインウェアの防水性は健在で、高速道路でもまったく沁みなかったので、どうやらまだまだ活躍してもらえそうだ。
また、今回後ろに荷物を載せるためにRokStrapというゴムバンドを使ったがなかなか具合がよかった。両端がループになっていて真ん中にバックルがついているゴムバンドなのだが、片方をタンデムシートの下のフレームの穴に通しておいたので、コンパクトに安定して荷物を固定できた。
Ninja250SLのクソ狭いスペースでも、このストラップの半分くらいは格納できるのでそのまましまってある。バックルの反対側の半分はタンクバッグに入れておけば、不意の荷物などもわりと楽に積めそうだ。
Ninja250SLはやはり舗装林道やそれに近い雰囲気の道にはよく合っていると思う。松崎に抜ける細い道(伊東西伊豆線)は、過去に400ccや600ccのバイクで通っているが、今回が一番楽に感じた。細かい峠のNinja250SLは、楽しく走って疲れない。
久々に温泉にも入り、良い宿でうまい魚も食って地酒も呑んでと、冬を前に実に楽しいツーリングであった。
けど、人間は欲張りだな。
ツーリングが楽しかったからこそ、「伊勢海老ラーメンクエスト」「ジビエ(猪肉)クエスト」「アンコウ鍋クエスト」といったメニューがすでに頭に浮かんでいる。
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