4月末日までの冬季閉鎖が解除されたはずの5月2日。セパハンで走れる林道の限界を試すべく、 新緑の秩父に突撃してきました。
何だか・・・久々にアドベンチャーな気分を味わえて充実したツーリングでした。
本日のテーマは「林道」。メインディッシュとしては金山志賀坂林道か、上野大滝線。前者は舗装なので、とりあえず後者の様子を見て、無理なら前者という隙のない二段構えのプランである。
大型連休中とは言え、少しでも渋滞を避けるべく何とか仕事をやりくりして、平日部分に休みをとった。朝は5時半起床の6時発。
思ったより明るいがまだ早朝の気配を残すさいたまシティから、一路R463で入間へ、そして県道30号で毛呂山へ向かう。
前回の秩父と同じセーブオンで朝飯として唐揚げ串とパン、コーヒー。唐揚げ串はやはりセブンイレブンに敵わない。ただ、この店は鎌北湖の直前なのでやはり都合がいい。
気温は高い予報だったと思ったが、思いのほか風が強く、冷たい。3シーズンのライディングジャケットの下にダウンベストを着ているが、それでもたまにゾクッとするくらい。
コーヒーを啜り、ツーリング限定喫煙者として一服ふかしつつ愛車Ninja250SLを眺める。 思えばこのバイク、去年のGWに買ったのだから、ちょうど一年ほど乗ったことになる。走行距離5000kmはそう多くないだろうが、週末のツーリング限定での利用なので、自分としてはまあそこそこ走ったという感じ。そして何よりふと思ったのが、両のグリップエンドが削れていないこと・・・。そう、このバイク、買ってから一度もコケていないのだ。
このバイクでリターンするより前、過去には10台以上はバイクを乗り継いできて、小型のオフ車から大型SSまで様々なタイプに乗ったが、ひとつ共通して言えるのは、どのバイクも1年どころか1ヶ月程度でコケて傷物にしていたということだ。
自分はどうにも下手糞なようで、本当にすぐバイクが寝転びたがる。だが、いい歳になって自分の体の反射が鈍くなっているなという感覚もあるし、何より妻と娘の心配があるので、もう「別に死ななきゃいいんだよコケるくらい」といった乗り方は改めよう ということがあった。そういう意味では、いくら軽い車体とはいえ1年も立ちゴケひとつないというのは初めてのことで、ちょっと感動した。
・・・なんていう回想が、本日の大事故のフラグになったら堪らないから気を引き締めて走ろう、と決意を新たに鎌北湖経由で奥武蔵グリーンラインへ。
奥武蔵グリーンラインはガードレールのない部分も多く、道の脇に野草が群生して花を咲かせているようなところがたびたびある。冒頭の写真は・・・シャガかな?
とりわけ、朝のまだ少し暗い峠道で、コーナーを抜けるとわっと現れる白い花の群れはどこかメルヘンでファンタジーで、おっさんになっても忘れ難き何か不思議な、「いつもと違う不思議なところに来た」というようなときめきを覚える。
そもそも、花は嫌いではない。小学生の頃に小遣いでビオラやサボテンを買って育てていたくらいだ。だが、中年と呼ぶにまったく躊躇のない年になってから、「花って綺麗だなあ」と思うようになった。もっと早く気づいていたらよかったとも思うが、そうもいかないのだろう。なぜなら、おそらく花の美しさに惹かれるのはそこに儚い生命力の発露を見るからだ。そしてそれは、自分が枯れかかっているからこそ認識できているものだ。
・・・いや、枯れかかっているとか言うと寂しいけど。実際のところ自分は年のわりにはおそらく若々しい肉体をしていると自負している。けど、それなりに体も動かしていたりするからこそ、前と同じではないというのははっきりわかる。このボディはまだ当面はよく動きそうだし、もともと体力自慢というわけでもないから、体力低下で悲嘆にくれてたりすることはないが、放っておいても体が強くなっていく時期はとっくに過ぎて、動物だったら確実に衰退期だなあと客観的に思う。まあ、俺は動物ではなく知恵ある人間なので、まだまだこれからすることもあるけども。
そんなこんなで走っていると、いつもの岩が現れる。
ある意味でこの道を象徴しているかのような巨岩。狭い道で、尾根筋なのだが、ところどころでこういった巨岩が突然現れ、しかも道路にせり出すかのように鎮座している。その中でもこの岩は特に印象が強い。ちょっとマニアックなことを言えば、この岩はチャートだろう。岩の中でもかなり硬い部類のものだ。
このような硬い巨岩がゴロゴロしているこの辺りの山、その昔の人々はよほどの悪路を(それでも他よりマシだから道になっていたのだろう)を、どういうつもりで歩いていたのか。
林道自体はいつからあるかよく知らないが、この奥武蔵グリーンライン沿いに北向地蔵や天文岩などの史跡もいくつかある以上、少なくとも数百年前からは道があるのだ。その頃にはこのあたりは本当に秘境というか、どうにもならない山奥で、それこそ魑魅魍魎も出るだろうよという世界だったろう。しかし、この峠を越えていけば秩父の村があり、そこはまた大昔・・・和同開珎の頃だから1000年以上前からすでに拓けていたのだ。
そういうことも、若い頃にもある程度知っていたはずなのだが、どうも見えていなかった。最近は走っていてもわりとよく思いが至って感慨深いものも感じたりして、やはり同じようにバイクに乗ってツーリングをしていても、20年前、10年前、そして今は違う楽しみというか感じ方がある。
とはいえ、どんな時でも変わらず切実に感じられるのは、ハンドルを誤ってこの岩に激突したらすげえ痛いだろうな、という恐怖感だ。チャート質の岩石は硬いという専門知識がなくても、この道を走っていればその高質感は肌で感じられるだろう。
奥武蔵グリーンラインの良いところは、最初は暗い斜面を登っていくような鬱蒼とした道で、途中からは尾根筋の明るい林道になるところだ。気分がいい。両サイドにガードレールも何もないのがまた爽快だ。時期によっては紅葉や枯葉、花びらを巻き上げながら走る。いまの時期はわりと綺麗。だが、油断すると泥や砂利や枯葉クズがあるので常に難易度高めのシューティングゲームでもしているような気分で楽しい。
とりあえず苅場坂峠まで進む。
便所以外は何もない苅場坂峠だが、今日はこの便所にも特に用はなかったので、一服だけして発進。はじめて、南側(正丸峠・R299方面)へと下る。
確か昨年の秋に、正丸トンネルの近くに「ザゼンソウ群生地」というものを見かけた覚えがあり、春になったら見に行こうと思っていたのだ。
正丸峠というのも、いつもトンネルで通り抜けているが確か往年は走り屋のメッカじゃなかったっけなという記憶があり、何となく一度くらいは通ってみようかという気があった。
苅場坂峠から下っていくと途中でR299の正丸トンネル南口あたりに出られるのだがそっちにはいかず、そのまま西へ進み、名栗方面を目指す。
で、その正丸峠というのも通ったのだが、特にバイクが多いということもなく・・・・というか一台もいなかったし、峠の茶屋は営業しているのか怪しい佇まいだし、でも駐車しようと思ったら「茶屋専用・バイク駐輪1000円」といった内容の札があるし・・・ということで、どうでもいいやと通り過ぎた。
ただ、問題は、このあたりから何だか軽い頭痛と吐き気に襲われてしまったことだ。なんでだろう?前日はわりとよく眠った気がしたが、そもそもしばらく寝不足が続いていたりしたからか?バッグをいつもと違う背負い方をしていて胸を圧迫していたからか?
峠を下ってR299に合流するころにはわりとフラフラになっていて、「もう帰った方がいいかな?」という気もした。
それもありつつなので、実はこのあたりの経路の印象があまり残っていない。まあ、秩父あたりにありがちなタイトなワインディングだったような。
ヘルメットを脱いでしばらくウロウロと道端を歩き回っていたら何となくすっきりしてきたので、ともかくもう少し走ることにした。
県道53号を北へ進みつつ、確か右手にあったはずの「ザゼンソウ」という看板を探してゆっくり走る。空いていたが、そのうちミラーに1台の隼が見えたので、左に寄って道を譲った。・・・きっと「フ・・・普通二輪車め・・・このモンスターたる隼使いに恐れをなして道を空けたか・・・」とか思われてんだろうなと思いつつ、俺はザゼンソウが気になっているのだから今は甘んじてその評価も受け入れよう。
・・・結局、発見できないままにR299号との合流(正丸トンネルの北口)に出てしまったが、そこで田舎によるある絵地図看板を発見、眺めてみると「ザゼンソウ群生地」の記述もあったので、距離の見当をつけて戻ってみると、ほどなくその場所に辿り着いた。
ザゼンソウというのは、まあ水芭蕉が茶色いみたいな変な花だけども、子供の頃に親父がよく酔っぱらいながら「昔、渓流釣りで道に迷ったらザゼンソウが咲いている場所に出て、その風情に心打たれた話」をしていたためか、なんとなく、植物園ではなくて咲いているところを見てみたいという気持ちがずっとあった。
心を躍らせつつ、道路から林へ続く小径を降りる。
・・・葉しかなかった。
現地の立て札によると、3月から4月上旬が時期だそうで。2週間ばかり遅かったようだ。
とは言え、ちょっと待てよ、日当たりの悪いところとかにひとつくらいはまだ咲いてるんじゃないの?と、ウロウロしてみたが、どうにも。
まあ、場所も時期も確認できたのでまた来年に訪れてみようかと思う。
さて、本日のツーリングの第一の目標はミスしたわけだが、林のなかを無駄に散策したせいで頭はすっきりしてきたので、ひとまず道の駅あらかわを目指した。
秩父の入り口付近は芝桜の時期らしく車が混んでいたが、さくっとパスしてR140へ。道の駅あらかわで、まだ昼飯には早かったものの、少し腹に暖かいものでも入れたらすっきりするかなと思ったので「秩父うどん」を食べた。
具になっていた葉っぱは行者ニンニクなのか?というのと、スパイスとして柚子胡椒または行者ニンニクラー油だっけな?が使えるというあたりが通常のうどんと違っていたが、それが秩父うどんとしてのフィーチャーなのか、単にこの店の個性なのかはよくわからない。ただ、470円というリーズナブルな価格ながら、なかなかにコシのあってうまいうどんだったと思うので、カレーとか肉とかじゃ重い、という気分で通りかかればまた食べるであろうと思う。
うどんも食ってより元気も出てきたので、予定通りに金山志賀坂林道を目指すことに。
R140は移動区間と思い、さくさくと走る・・・が、道の駅大滝温泉の先の信号で、ふと「秩父往還とやらを走ってみよう」と思い左折。
二瀬ダムの先で分岐を右に入り、ダム湖沿いから山の中腹の道へと切り替える。ダム沿いの道は多少クルマも増えていたが、こちらはスカスカだった。とは言え、飛ばして走るような道でもなく、古い集落を縫うように進む。新緑の谷間にひなびた集落があり、鯉のぼりが泳いでいたりして、緑の斜面のところどころにまだ桜と思しき色も見える。
もうちょっとクラシックな佇まいのバイクがよく似合いそうな雰囲気。
R140の本線に合流後、雁坂トンネルと反対に進み、中津川大橋から三国峠方面へ。日窒鉱山方面への分岐で看板を確認すると・・・金山志賀坂林道の冬季通行止めは確かに終わっていたが、同時に法面崩落による通行止めが始まっていた!
えー・・・。と思いつつ、それならダートを通って突破するまでよ!と上野王滝林道を目指す。が・・・こちらも同じく法面崩落により通行止め。
本日第二の目標であった「秩父最奥部から群馬に抜ける」 もミスということになってしまった。
さて、どうしよう。
実は今日は一人で来ているが、しばしばツーリングをともにしているPくんもまた、長野方面から秩父に抜けるツーリングするとのことで、上野村あたりで落ち合おうかという話になっていた。
まあ、確かな約束でもないので無理に上野村に行かなくともいいのだが・・・と思ったが、どうにもこのまま引き返すのも癪だったので、とりあえず雁坂トンネルを抜けてしまった。
抜けてから考えあぐね、結局、P君との合流を目指して北上することにした。というのも、中央道で帰るのは気が進まなかったからだ。
R140でしばらく南下(空いているし快走路だがオービスがあったりする)した後、杣口林道(クリスタルライン)という道に入り乙女湖を目指す。
この道は意外なくらいに良い道だった。入り口こそブドウ畑の中の農道のようだったが、途中からはよく整備されたほどよいワインディングで、南が開けているからか明るく気分のよい道だった。
で、ほどなくして到着した乙女湖は、どってことない湖だった・・・。特に大きくもなくえらい小さいでもなく・・・あまり特徴のない感じ。乙女っぽさが・・・何かしら乙女っぽさがないかと期待していたのだが・・・。
で、ここから川上牧丘林道で北上し・・・と思っていたのだが、またもや通行止め。
ちょっとちょっと・・・ここから甲府に下るってのはゴメンだし・・・どうするよ?
と地図を眺めていると、この乙女湖(琴川ダム)から東にも「クリスタルライン」が続いていることを発見した。山の中をクネクネと、ずっと長野の方まで続いている。・・・「荒川林道」「御岳林道」といった文字も見えるが、クリスタルラインはさきほども綺麗な舗装路だったし、これいいんじゃないか?
なんだかよく知らない山の中で、林道の入りくんだところに分け入る不安はあるが、まあ小洒落た名前のついた道だ、どってことはないだろう、とクリスタルラインを突き進むことに。
ところがここからがきつかった。
綺麗だったのは最初だけで、あっという間に白っぽい簡易舗装に。1車線、落石だらけ、超タイトコーナーが続く、ザ・林道になってしまう。通る車もまるでなく、人里の気配もない山奥でひたすらタイトコーナーを回りながら、「あー、ここでコケたら誰も助けに来てくれねえなあ」「電波ないから救急車を呼ぶこともできねえ」などと考えてしまい、絶対にコケるわけにはいかないという緊張感と、「どうでもいいけどこの道、合ってるんだろうか・・・?対向車すら1台もいないのだが・・・・」という不安とと戦い続ける。
やっと林道を抜けたと思ったのがおそらく木賊峠で、ここはギリギリ3Gの電話が来ていたので、P君にちょっと遅れるとメールを送りつつ、一息。
秩父あたりを走っていると ちょいちょい見かけるこのマゼンタ色の花はなんなんだろうといつも思っていたが、調べた感じではたぶんミツバツツジというものではないかと思う。
あまり群生していたりはしないのでで、壮観ということはないのだけれど、山奥でふとした時にこの色合いが目について印象に残る。
さて、林道が終わりかと思ったらまだ終わってなく、しかしここまで来て次の目印は「増冨ラジウム温泉」とくればもう通行止めの憂き目にあうこともなかろうと、がんばって走る。
増冨温泉についた時には、いくつかの温泉宿に客の車もあり、ああ、ちゃんと街に出られたようだと安心した。
その後さらに信州峠を越えて川上村に。
大規模農業地帯で、大型トラクターがちょいちょい目につく、ゆるくうねった土地の中を走り抜ける。左手には、八ヶ岳が、雪というより氷を被って、傾いた日差しにテカテカと作り物のような光沢を放つ様子が見える。
やがて県道68号に出て、給油をして、佐久で待ちぼうけのP君に電話をする。少し時間がかかるので、先に十石峠に入ってもらい、俺はぶどう峠から上野村に抜ける、という話になった。
北相木村からぶどう峠の道は、反対方向になら昨夏に家族でキャンプ旅行した際にドライブしており、一応知っている道だから安心だ。
前半はカーブも緩くかなり楽に走れる。後半、埼玉側はちょっと道が荒れるが、さきほどのクリスタルラインとかいう食わせ物に比べればどうってことはない。
というか、今日は県境付近を走っていたので気付いたのだが、埼玉県は道路の管理状態悪いな。観光関連の予算が少ないのか?山奥の林道とはいえ他地域との連絡路にもなっている道は、しっかり整備して観光ルートにしていけばいいのではと思うのだが、山梨や長野の方がわりときれいに維持している道の埼玉県側が、通行止めだったり舗装が荒れ放題だったりと。ちょっと、今度の県知事選挙はとりあえず現職と違う人に投票でもしようかと思った。
ともあれ、やがてぶどう峠を抜け、無事に道の駅上野に到着。もともと秩父にいてここに来るのにどれだけ遠回りしたんだという感じだが・・・。
P君は少し前に到着していたそうで、無事に落ち合うことができた。少し休憩して、甘い缶コーヒーを飲む。思えば、10時にうどんを食ってから、何も食わずに現在16時まで走っている。うどんも食ってなかったらば空腹でハンドルも怪しくなっていただろうと思うと、とりあえず食っておいて良かった。今度からも、山奥に入る前には軽くでも食事しておくか、 せめて軽食でも買っておこう。
イノブタが気になったが、道の駅の食堂はもうしまっていたので、とりあえず小鹿野まで進むことに。わらじカツの店とか開いてるかなと思ったがもちろん閉店しており、押さえとして考えてあった東大門へ。とりあえずここは開いてるし、秩父的がっつり飯もある。
で、味噌豚丼を食った。腹が減っていたので一瞬でペロリという感じだったが、なかなか美味い。けど、そうであればこそ、例の「野さか」の味噌豚丼はさぞ美味いのだろうなあ、という気がしてしまい、いずれはあちらも試そうと心に誓った。
食事を済ませた後、とりあえず道の駅あしがくぼまで移動することに。薄暗くなっていたし疲れていたのでP君を先にやったが、志賀坂峠が近づくあたりでやっぱり峠道は楽しくて先にでて好き放題に走ってしまった。俺がP君を抜いた時、俺の後ろに1台の隼がいたので、昼間のリベンジ(←我ながら勝手なw)とばかりに着いてくるかと期待したが、どうやら彼は一般道で前のバイクを抜くような野蛮人ではなかったようだ。残念。
芦ヶ久保で少し道を考え、結局、俺は奥武蔵グリーンラインに入って都幾川に抜けることにした。P君はR299で帰るとのことだったのでここで解散。
すっかり夜になった中で奥武蔵グリーンラインに入るのもどうかと思ったが、俺のNinja250SLはライトバルブを交換してあるので、それが意外に明るくて(単なる高効率ハロゲンだが、純正のがやはり低効率だったのではと思う)、十分に道は照らしてくれた。舗装とは言え林道は夜だと分岐などがわかりにくいが、ここの道はもう何度も通っているので迷いもしない。
唯一の心配として、昼間に見るタイヤ痕からして四輪の走り屋が出没してると面倒だなと思ったのだが、そういうクルマとも一台も遭遇しなかった。とは言え、都幾川に抜けてから反対車線にその手のクルマを数台見たので、もっと遅い時間になるといるのかも知れない。
一車線の林道でWRCごっことばかりにムキになってコーナーに突っ込んでくる四輪がいるとなると、ちょっと嫌だなと思うので、遅い時間は警戒しておこう。
東松山から関越に乗り、所沢までワープ、そこからは慣れた道でさいたままで帰った。
結局、この日は479kmの走行。そのうち高速道路は1000円分ほどしかなく、残りのかなりの部分を林道が占めている。さすがに疲れた。肩凝り的な疲れもあるが、それ以上に単純に筋肉的にも疲れた。
前傾がきつめ・振動が大き目とされるNinja250SLではあるが、別に腰は痛くならなかったし、手も足も痺れたリはしない。そういう意味では、このバイクはやはり普通にツーリング向けと考えていいと思う。
というか、今日はいちいちアテが外れて想定外の道を進んでいたのと、半端に待ち合わせとかしてしまって時間を気にしていたのとで、なんだか慌ただしく駆け抜けてしまってけど、実は通っていたルートはかなり良いツーリングコースなのではないか。舗装路ではあるが林道ばかりなので、まず空いているし、景色もかなり良かった。
今回は、最初に正丸峠に行ったり、王滝村あたりで行き止まりにあったりして時間をロスしているが、そういうことがなければわりとほどよいコースなのかも知れない。
クリスタルラインあたりの道について、帰り道では「いい道だったけど二度と通らねえだろうな」と思っていたが、やっぱりもう一度くらい、今度は気楽に走ってみようかなという気もしてきている。
野草咲き乱れる奥武蔵グリーンライン |
何だか・・・久々にアドベンチャーな気分を味わえて充実したツーリングでした。
本日のテーマは「林道」。メインディッシュとしては金山志賀坂林道か、上野大滝線。前者は舗装なので、とりあえず後者の様子を見て、無理なら前者という隙のない二段構えのプランである。
大型連休中とは言え、少しでも渋滞を避けるべく何とか仕事をやりくりして、平日部分に休みをとった。朝は5時半起床の6時発。
思ったより明るいがまだ早朝の気配を残すさいたまシティから、一路R463で入間へ、そして県道30号で毛呂山へ向かう。
前回の秩父と同じセーブオンで朝飯として唐揚げ串とパン、コーヒー。唐揚げ串はやはりセブンイレブンに敵わない。ただ、この店は鎌北湖の直前なのでやはり都合がいい。
気温は高い予報だったと思ったが、思いのほか風が強く、冷たい。3シーズンのライディングジャケットの下にダウンベストを着ているが、それでもたまにゾクッとするくらい。
コーヒーを啜り、ツーリング限定喫煙者として一服ふかしつつ愛車Ninja250SLを眺める。 思えばこのバイク、去年のGWに買ったのだから、ちょうど一年ほど乗ったことになる。走行距離5000kmはそう多くないだろうが、週末のツーリング限定での利用なので、自分としてはまあそこそこ走ったという感じ。そして何よりふと思ったのが、両のグリップエンドが削れていないこと・・・。そう、このバイク、買ってから一度もコケていないのだ。
このバイクでリターンするより前、過去には10台以上はバイクを乗り継いできて、小型のオフ車から大型SSまで様々なタイプに乗ったが、ひとつ共通して言えるのは、どのバイクも1年どころか1ヶ月程度でコケて傷物にしていたということだ。
自分はどうにも下手糞なようで、本当にすぐバイクが寝転びたがる。だが、いい歳になって自分の体の反射が鈍くなっているなという感覚もあるし、何より妻と娘の心配があるので、もう「別に死ななきゃいいんだよコケるくらい」といった乗り方は改めよう ということがあった。そういう意味では、いくら軽い車体とはいえ1年も立ちゴケひとつないというのは初めてのことで、ちょっと感動した。
・・・なんていう回想が、本日の大事故のフラグになったら堪らないから気を引き締めて走ろう、と決意を新たに鎌北湖経由で奥武蔵グリーンラインへ。
奥武蔵グリーンラインはガードレールのない部分も多く、道の脇に野草が群生して花を咲かせているようなところがたびたびある。冒頭の写真は・・・シャガかな?
とりわけ、朝のまだ少し暗い峠道で、コーナーを抜けるとわっと現れる白い花の群れはどこかメルヘンでファンタジーで、おっさんになっても忘れ難き何か不思議な、「いつもと違う不思議なところに来た」というようなときめきを覚える。
そもそも、花は嫌いではない。小学生の頃に小遣いでビオラやサボテンを買って育てていたくらいだ。だが、中年と呼ぶにまったく躊躇のない年になってから、「花って綺麗だなあ」と思うようになった。もっと早く気づいていたらよかったとも思うが、そうもいかないのだろう。なぜなら、おそらく花の美しさに惹かれるのはそこに儚い生命力の発露を見るからだ。そしてそれは、自分が枯れかかっているからこそ認識できているものだ。
・・・いや、枯れかかっているとか言うと寂しいけど。実際のところ自分は年のわりにはおそらく若々しい肉体をしていると自負している。けど、それなりに体も動かしていたりするからこそ、前と同じではないというのははっきりわかる。このボディはまだ当面はよく動きそうだし、もともと体力自慢というわけでもないから、体力低下で悲嘆にくれてたりすることはないが、放っておいても体が強くなっていく時期はとっくに過ぎて、動物だったら確実に衰退期だなあと客観的に思う。まあ、俺は動物ではなく知恵ある人間なので、まだまだこれからすることもあるけども。
奥武蔵グリーンラインの有名な岩 |
そんなこんなで走っていると、いつもの岩が現れる。
ある意味でこの道を象徴しているかのような巨岩。狭い道で、尾根筋なのだが、ところどころでこういった巨岩が突然現れ、しかも道路にせり出すかのように鎮座している。その中でもこの岩は特に印象が強い。ちょっとマニアックなことを言えば、この岩はチャートだろう。岩の中でもかなり硬い部類のものだ。
このような硬い巨岩がゴロゴロしているこの辺りの山、その昔の人々はよほどの悪路を(それでも他よりマシだから道になっていたのだろう)を、どういうつもりで歩いていたのか。
林道自体はいつからあるかよく知らないが、この奥武蔵グリーンライン沿いに北向地蔵や天文岩などの史跡もいくつかある以上、少なくとも数百年前からは道があるのだ。その頃にはこのあたりは本当に秘境というか、どうにもならない山奥で、それこそ魑魅魍魎も出るだろうよという世界だったろう。しかし、この峠を越えていけば秩父の村があり、そこはまた大昔・・・和同開珎の頃だから1000年以上前からすでに拓けていたのだ。
そういうことも、若い頃にもある程度知っていたはずなのだが、どうも見えていなかった。最近は走っていてもわりとよく思いが至って感慨深いものも感じたりして、やはり同じようにバイクに乗ってツーリングをしていても、20年前、10年前、そして今は違う楽しみというか感じ方がある。
とはいえ、どんな時でも変わらず切実に感じられるのは、ハンドルを誤ってこの岩に激突したらすげえ痛いだろうな、という恐怖感だ。チャート質の岩石は硬いという専門知識がなくても、この道を走っていればその高質感は肌で感じられるだろう。
奥武蔵GLの尾根筋 |
奥武蔵グリーンラインの良いところは、最初は暗い斜面を登っていくような鬱蒼とした道で、途中からは尾根筋の明るい林道になるところだ。気分がいい。両サイドにガードレールも何もないのがまた爽快だ。時期によっては紅葉や枯葉、花びらを巻き上げながら走る。いまの時期はわりと綺麗。だが、油断すると泥や砂利や枯葉クズがあるので常に難易度高めのシューティングゲームでもしているような気分で楽しい。
とりあえず苅場坂峠まで進む。
この一年、何度も来ている、苅場坂峠 |
便所以外は何もない苅場坂峠だが、今日はこの便所にも特に用はなかったので、一服だけして発進。はじめて、南側(正丸峠・R299方面)へと下る。
確か昨年の秋に、正丸トンネルの近くに「ザゼンソウ群生地」というものを見かけた覚えがあり、春になったら見に行こうと思っていたのだ。
正丸峠というのも、いつもトンネルで通り抜けているが確か往年は走り屋のメッカじゃなかったっけなという記憶があり、何となく一度くらいは通ってみようかという気があった。
苅場坂峠から下っていくと途中でR299の正丸トンネル南口あたりに出られるのだがそっちにはいかず、そのまま西へ進み、名栗方面を目指す。
で、その正丸峠というのも通ったのだが、特にバイクが多いということもなく・・・・というか一台もいなかったし、峠の茶屋は営業しているのか怪しい佇まいだし、でも駐車しようと思ったら「茶屋専用・バイク駐輪1000円」といった内容の札があるし・・・ということで、どうでもいいやと通り過ぎた。
正丸峠 |
ただ、問題は、このあたりから何だか軽い頭痛と吐き気に襲われてしまったことだ。なんでだろう?前日はわりとよく眠った気がしたが、そもそもしばらく寝不足が続いていたりしたからか?バッグをいつもと違う背負い方をしていて胸を圧迫していたからか?
峠を下ってR299に合流するころにはわりとフラフラになっていて、「もう帰った方がいいかな?」という気もした。
それもありつつなので、実はこのあたりの経路の印象があまり残っていない。まあ、秩父あたりにありがちなタイトなワインディングだったような。
ヘルメットを脱いでしばらくウロウロと道端を歩き回っていたら何となくすっきりしてきたので、ともかくもう少し走ることにした。
県道53号を北へ進みつつ、確か右手にあったはずの「ザゼンソウ」という看板を探してゆっくり走る。空いていたが、そのうちミラーに1台の隼が見えたので、左に寄って道を譲った。・・・きっと「フ・・・普通二輪車め・・・このモンスターたる隼使いに恐れをなして道を空けたか・・・」とか思われてんだろうなと思いつつ、俺はザゼンソウが気になっているのだから今は甘んじてその評価も受け入れよう。
・・・結局、発見できないままにR299号との合流(正丸トンネルの北口)に出てしまったが、そこで田舎によるある絵地図看板を発見、眺めてみると「ザゼンソウ群生地」の記述もあったので、距離の見当をつけて戻ってみると、ほどなくその場所に辿り着いた。
ザゼンソウというのは、まあ水芭蕉が茶色いみたいな変な花だけども、子供の頃に親父がよく酔っぱらいながら「昔、渓流釣りで道に迷ったらザゼンソウが咲いている場所に出て、その風情に心打たれた話」をしていたためか、なんとなく、植物園ではなくて咲いているところを見てみたいという気持ちがずっとあった。
心を躍らせつつ、道路から林へ続く小径を降りる。
ザゼンソウ(葉) |
ザゼンソウ群生(葉) |
・・・葉しかなかった。
現地の立て札によると、3月から4月上旬が時期だそうで。2週間ばかり遅かったようだ。
とは言え、ちょっと待てよ、日当たりの悪いところとかにひとつくらいはまだ咲いてるんじゃないの?と、ウロウロしてみたが、どうにも。
まあ、場所も時期も確認できたのでまた来年に訪れてみようかと思う。
さて、本日のツーリングの第一の目標はミスしたわけだが、林のなかを無駄に散策したせいで頭はすっきりしてきたので、ひとまず道の駅あらかわを目指した。
秩父の入り口付近は芝桜の時期らしく車が混んでいたが、さくっとパスしてR140へ。道の駅あらかわで、まだ昼飯には早かったものの、少し腹に暖かいものでも入れたらすっきりするかなと思ったので「秩父うどん」を食べた。
道の駅あらかわの「秩父うどん」 |
うどんも食ってより元気も出てきたので、予定通りに金山志賀坂林道を目指すことに。
R140は移動区間と思い、さくさくと走る・・・が、道の駅大滝温泉の先の信号で、ふと「秩父往還とやらを走ってみよう」と思い左折。
二瀬ダムの先で分岐を右に入り、ダム湖沿いから山の中腹の道へと切り替える。ダム沿いの道は多少クルマも増えていたが、こちらはスカスカだった。とは言え、飛ばして走るような道でもなく、古い集落を縫うように進む。新緑の谷間にひなびた集落があり、鯉のぼりが泳いでいたりして、緑の斜面のところどころにまだ桜と思しき色も見える。
もうちょっとクラシックな佇まいのバイクがよく似合いそうな雰囲気。
秩父往還より |
秩父往還の谷の向こう側 |
R140の本線に合流後、雁坂トンネルと反対に進み、中津川大橋から三国峠方面へ。日窒鉱山方面への分岐で看板を確認すると・・・金山志賀坂林道の冬季通行止めは確かに終わっていたが、同時に法面崩落による通行止めが始まっていた!
えー・・・。と思いつつ、それならダートを通って突破するまでよ!と上野王滝林道を目指す。が・・・こちらも同じく法面崩落により通行止め。
本日第二の目標であった「秩父最奥部から群馬に抜ける」 もミスということになってしまった。
さて、どうしよう。
実は今日は一人で来ているが、しばしばツーリングをともにしているPくんもまた、長野方面から秩父に抜けるツーリングするとのことで、上野村あたりで落ち合おうかという話になっていた。
まあ、確かな約束でもないので無理に上野村に行かなくともいいのだが・・・と思ったが、どうにもこのまま引き返すのも癪だったので、とりあえず雁坂トンネルを抜けてしまった。
抜けてから考えあぐね、結局、P君との合流を目指して北上することにした。というのも、中央道で帰るのは気が進まなかったからだ。
R140でしばらく南下(空いているし快走路だがオービスがあったりする)した後、杣口林道(クリスタルライン)という道に入り乙女湖を目指す。
この道は意外なくらいに良い道だった。入り口こそブドウ畑の中の農道のようだったが、途中からはよく整備されたほどよいワインディングで、南が開けているからか明るく気分のよい道だった。
で、ほどなくして到着した乙女湖は、どってことない湖だった・・・。特に大きくもなくえらい小さいでもなく・・・あまり特徴のない感じ。乙女っぽさが・・・何かしら乙女っぽさがないかと期待していたのだが・・・。
乙女要素はとくにない |
で、ここから川上牧丘林道で北上し・・・と思っていたのだが、またもや通行止め。
ちょっとちょっと・・・ここから甲府に下るってのはゴメンだし・・・どうするよ?
と地図を眺めていると、この乙女湖(琴川ダム)から東にも「クリスタルライン」が続いていることを発見した。山の中をクネクネと、ずっと長野の方まで続いている。・・・「荒川林道」「御岳林道」といった文字も見えるが、クリスタルラインはさきほども綺麗な舗装路だったし、これいいんじゃないか?
なんだかよく知らない山の中で、林道の入りくんだところに分け入る不安はあるが、まあ小洒落た名前のついた道だ、どってことはないだろう、とクリスタルラインを突き進むことに。
ところがここからがきつかった。
綺麗だったのは最初だけで、あっという間に白っぽい簡易舗装に。1車線、落石だらけ、超タイトコーナーが続く、ザ・林道になってしまう。通る車もまるでなく、人里の気配もない山奥でひたすらタイトコーナーを回りながら、「あー、ここでコケたら誰も助けに来てくれねえなあ」「電波ないから救急車を呼ぶこともできねえ」などと考えてしまい、絶対にコケるわけにはいかないという緊張感と、「どうでもいいけどこの道、合ってるんだろうか・・・?対向車すら1台もいないのだが・・・・」という不安とと戦い続ける。
やたらに山が深いクリスタルラインより |
やっと林道を抜けたと思ったのがおそらく木賊峠で、ここはギリギリ3Gの電話が来ていたので、P君にちょっと遅れるとメールを送りつつ、一息。
木賊峠にて。 |
秩父あたりを走っていると ちょいちょい見かけるこのマゼンタ色の花はなんなんだろうといつも思っていたが、調べた感じではたぶんミツバツツジというものではないかと思う。
あまり群生していたりはしないのでで、壮観ということはないのだけれど、山奥でふとした時にこの色合いが目について印象に残る。
さて、林道が終わりかと思ったらまだ終わってなく、しかしここまで来て次の目印は「増冨ラジウム温泉」とくればもう通行止めの憂き目にあうこともなかろうと、がんばって走る。
増冨温泉についた時には、いくつかの温泉宿に客の車もあり、ああ、ちゃんと街に出られたようだと安心した。
その後さらに信州峠を越えて川上村に。
大規模農業地帯で、大型トラクターがちょいちょい目につく、ゆるくうねった土地の中を走り抜ける。左手には、八ヶ岳が、雪というより氷を被って、傾いた日差しにテカテカと作り物のような光沢を放つ様子が見える。
やがて県道68号に出て、給油をして、佐久で待ちぼうけのP君に電話をする。少し時間がかかるので、先に十石峠に入ってもらい、俺はぶどう峠から上野村に抜ける、という話になった。
北相木村からぶどう峠の道は、反対方向になら昨夏に家族でキャンプ旅行した際にドライブしており、一応知っている道だから安心だ。
前半はカーブも緩くかなり楽に走れる。後半、埼玉側はちょっと道が荒れるが、さきほどのクリスタルラインとかいう食わせ物に比べればどうってことはない。
というか、今日は県境付近を走っていたので気付いたのだが、埼玉県は道路の管理状態悪いな。観光関連の予算が少ないのか?山奥の林道とはいえ他地域との連絡路にもなっている道は、しっかり整備して観光ルートにしていけばいいのではと思うのだが、山梨や長野の方がわりときれいに維持している道の埼玉県側が、通行止めだったり舗装が荒れ放題だったりと。ちょっと、今度の県知事選挙はとりあえず現職と違う人に投票でもしようかと思った。
ぶどう峠より |
ともあれ、やがてぶどう峠を抜け、無事に道の駅上野に到着。もともと秩父にいてここに来るのにどれだけ遠回りしたんだという感じだが・・・。
P君は少し前に到着していたそうで、無事に落ち合うことができた。少し休憩して、甘い缶コーヒーを飲む。思えば、10時にうどんを食ってから、何も食わずに現在16時まで走っている。うどんも食ってなかったらば空腹でハンドルも怪しくなっていただろうと思うと、とりあえず食っておいて良かった。今度からも、山奥に入る前には軽くでも食事しておくか、 せめて軽食でも買っておこう。
イノブタが気になったが、道の駅の食堂はもうしまっていたので、とりあえず小鹿野まで進むことに。わらじカツの店とか開いてるかなと思ったがもちろん閉店しており、押さえとして考えてあった東大門へ。とりあえずここは開いてるし、秩父的がっつり飯もある。
で、味噌豚丼を食った。腹が減っていたので一瞬でペロリという感じだったが、なかなか美味い。けど、そうであればこそ、例の「野さか」の味噌豚丼はさぞ美味いのだろうなあ、という気がしてしまい、いずれはあちらも試そうと心に誓った。
東大門の豚丼。ちょっと食べかけてしまった・・・ |
食事を済ませた後、とりあえず道の駅あしがくぼまで移動することに。薄暗くなっていたし疲れていたのでP君を先にやったが、志賀坂峠が近づくあたりでやっぱり峠道は楽しくて先にでて好き放題に走ってしまった。俺がP君を抜いた時、俺の後ろに1台の隼がいたので、昼間のリベンジ(←我ながら勝手なw)とばかりに着いてくるかと期待したが、どうやら彼は一般道で前のバイクを抜くような野蛮人ではなかったようだ。残念。
芦ヶ久保で少し道を考え、結局、俺は奥武蔵グリーンラインに入って都幾川に抜けることにした。P君はR299で帰るとのことだったのでここで解散。
すっかり夜になった中で奥武蔵グリーンラインに入るのもどうかと思ったが、俺のNinja250SLはライトバルブを交換してあるので、それが意外に明るくて(単なる高効率ハロゲンだが、純正のがやはり低効率だったのではと思う)、十分に道は照らしてくれた。舗装とは言え林道は夜だと分岐などがわかりにくいが、ここの道はもう何度も通っているので迷いもしない。
唯一の心配として、昼間に見るタイヤ痕からして四輪の走り屋が出没してると面倒だなと思ったのだが、そういうクルマとも一台も遭遇しなかった。とは言え、都幾川に抜けてから反対車線にその手のクルマを数台見たので、もっと遅い時間になるといるのかも知れない。
一車線の林道でWRCごっことばかりにムキになってコーナーに突っ込んでくる四輪がいるとなると、ちょっと嫌だなと思うので、遅い時間は警戒しておこう。
東松山から関越に乗り、所沢までワープ、そこからは慣れた道でさいたままで帰った。
結局、この日は479kmの走行。そのうち高速道路は1000円分ほどしかなく、残りのかなりの部分を林道が占めている。さすがに疲れた。肩凝り的な疲れもあるが、それ以上に単純に筋肉的にも疲れた。
前傾がきつめ・振動が大き目とされるNinja250SLではあるが、別に腰は痛くならなかったし、手も足も痺れたリはしない。そういう意味では、このバイクはやはり普通にツーリング向けと考えていいと思う。
というか、今日はいちいちアテが外れて想定外の道を進んでいたのと、半端に待ち合わせとかしてしまって時間を気にしていたのとで、なんだか慌ただしく駆け抜けてしまってけど、実は通っていたルートはかなり良いツーリングコースなのではないか。舗装路ではあるが林道ばかりなので、まず空いているし、景色もかなり良かった。
今回は、最初に正丸峠に行ったり、王滝村あたりで行き止まりにあったりして時間をロスしているが、そういうことがなければわりとほどよいコースなのかも知れない。
クリスタルラインあたりの道について、帰り道では「いい道だったけど二度と通らねえだろうな」と思っていたが、やっぱりもう一度くらい、今度は気楽に走ってみようかなという気もしてきている。
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