スキップしてメイン コンテンツに移動

Ninja250SLで行く秩父北方の峠越え

久々に好天の週末、秋の景色が散ってしまう前にと、いそいそと秩父に繰り出しました。すでにバイクには少し寒くなりつつあるこの時期ですが、バイクならではの景色というのもやはりあるものです。

塩ノ沢峠(旧道)




10月は週末毎に雨みたいな天気だったので、せっかくのシーズンなのにすっかりツーリングに行きそびれてしまった。そんな中で11月初めのこの連休は好天の予報でもあったので、仕事は非常に忙しかったがなんとかやりくりし、初日は捧げたものの土日は休みを確保。日曜は家族と過ごすことにして、土曜は1日走ってくるぞと意気込んでいた。

意気込んでいたけど、日頃の激務が祟り早起きはできず、9時頃にさいたまを出発する体たらく。とは言え、久々にたっぷり睡眠をとったので体調は良い。

少し雲が残るがこれから晴れる予報の空も気持ち良い。よい感じで一路、R463で所沢方面へと走る。R463はやたらに長いケヤキ並木になっているが、それがさいたま市側ではまだ緑なのに所沢あたりでは紅葉しており、標高もたいして変わらないだろうと思うのだけど多少は気候が違うのだなと感心しつつ走る。

鎌北湖から奥武蔵グリーンライン。で、そのグリーンラインで本日最初のアクシデント。

奥武蔵グリーンライン、まさかの通行止め

ただ、路肩が崩壊しているのはここだけで、なんか仕事で来てるっぽい地元の爺様っぽい方がいたので聞いたら端っこは別に通ってよいとのことだったので、さらっと通過しました。

見てみると、崩壊した斜面から水が湧いてそこから下に向かって沢が出来ており、なるほどこれは崩れるべくして崩れたのだなあとまた感心してみたり、埼玉県は山の道路を直すのが遅い(三国峠とか)のでちゃんとここは直してくれんだろうかと心配になったりした。

この後、どこで昼飯を食おうかなと思いつつ、なんとなく芦ヶ久保に抜けるのもつまらない気がしたので定峯峠まで抜けることにする。峠を東に進み、しばらく行くとなんだか怪しいのかオシャレなのかよくわからないカフェがある。いつも「胡散くさー」と思いつつ通り過ぎていて、この日も通り過ぎたのだが、ちょうどそのあたりの渓流が綺麗で写真を撮りたいと思ったので、どうせ停まるならここで飯も食ってみようと数百メートルばかりUターンして戻る。

定峰峠の東の方

そのカフェ、入ってみるとなかなか人が多い。こんな場所なのに。まあ、こんな場所とは言え、天気のよい連休で紅葉の名所的エリアで、ちょうど昼時の12時過ぎとあれば、さすがにそれなりに人はいるのも道理か。つうか、このタイミングでガラガラだったら潰れているだろう。

入って、なんとなくテラス席に通される。頭上には黄葉、眼下に渓流が流れるのは素晴らしいが、テラス席なために隣のテーブルに愛犬家グループがいるのには閉口した。・・・俺は犬が嫌いなのだ。猫なら好きだが犬は嫌い。嫌いというか、生理的に苦手。すごく。近くに犬がいるだけで心拍数があがり、アドレナリンが出てしまう。ちょっと後悔して、店内に場所を変えて貰おうかとも思ったが、せっかく眺めもいいので、犬に背を向けて座ることにした。

カフェ・・・なんだっけな?
なんとなくホットドッグを頼んでみた。750円(コーヒー別)というのが高いかどうかだが、これは結構でかい。ソーセージもやたらぶっとく、美味い。材料的な味もよいが、焼き方が良いようで(釜なのかな?)、中まで熱く、外がパリっとしていてマーベラス。自家製だというパンも美味いし、ピクルス、フライドオニオンもよい。ということで、結構気に入ったので、また寄ってみようと思う。なるべく空いてそうな時に。空いてれば実にいいところだと思った。

腹もふくれたし、さてと!とバイクに乗ろうとしたところで、まさかの雨が。おかしい。今日は晴天で、明日も晴天の予報。なんだって雨が降ってくる?

とは言え、ポツポツ程度なので止むだろうとタカを括って先に進む。積載性の悪さには提供のあるNinja250SL、もちろんカッパは持っていない。だが、今から引き返したところで濡れずに帰れるほど近所にいるわけでもないので、慌てても無駄というものだ。

この後、一度皆野に抜けて、そこから県道37号経由で小鹿野へ。小鹿野からR299に入り、志賀坂峠へ。

このあたりで雨は止んでいて、快適に走ることが出来た。

が、志賀坂峠を降るあたりでまたポツポツと。こんどは、路面が黒くなるくらいには降ってきた。が、峠を下りきって、上野村に入ったあたりでは止んでいた。




埼玉・群馬県境は本当に山深いなと思う。しかも広葉樹も多く、川も綺麗だ。畑でもないところにちょいちょい柿の木が生えていて、食えるのかなと気になったが、十中八九渋いのだろうからいちいち取りには行かなかった・・・が、せっかくだから1個くらい拾ってきたら良かったろうか?

その後、何度か通ったことのあるぶどう峠への分岐を過ぎて少しいったところで、県道45号で北へと方向転換する。

今日は、この道を通ることを目的としてきたのだ。このあたり、ぶどう峠経由あるいは十石峠経由で長野へ抜けるのは数回ほど行っているが、この塩之沢峠で下仁田に抜けるルートはまだ通ったことがない。やはり初めての峠というのは楽しいものだ。

人気のない山道をしばらく進むとちょっとした小屋があって駐車場があり、多少そらぞらしく演出されてる感じがあるが綺麗な紅葉があった。

塩ノ沢の紅葉

写真を撮って、満足して地図を確認しているとまた、ポツ、ポツと雨が。

しかし、どうも今度は先ほどまでと雰囲気が違う。とっさに周囲を見渡して近くの閉店している商店のような建物の軒先に逃げ込むと、すぐにザアザアと雨が降ってきた。こうなっては仕方ないのでしばし途方にくれつつ待つ。この建物はよく見れば、ツーリングマップルにも乗っている藤屋といううどん屋だった。10分ほど待って、少し雨足は弱まったが、すぐには止みそうにない。しかしいつまでも降る気配でもない。どうしたものかなと思ってよく見れば、さっきから気になってた目の前の建物は国民宿舎ではないか。

国民宿舎「やまびこ荘」に退避して、温泉にでもつかって時間を潰すことにした。

日帰り入浴は600円。ロビーは立派で、なんかわりとちゃんとした旅館にでも来た気分になれた。風呂も空いていて、洞窟風呂も露天風呂も独り占めであった。洞窟風呂は思ったほど洞窟ではなかったけど、それでもちょっと面白かった。

時間つぶしが目的なので、俺にしては長湯をして、それからゆっくり身支度をして出ると狙い通り、雨は上がって空には晴れ間も見え始めていた。



秋の日は釣瓶落としというやつで、もう程なく暗くなる頃合いになってしまった。とはいえ、ここから引き返して秩父で帰るのも楽なわけじゃない。少し戻って湯の沢トンネルで一気に峠を潜るという手もあるが、それはいささか味気ない。

ということで、えいやあと、旧道・塩ノ沢峠を走ってみることにした。なに、そこまで長いわけでもないし、真っ暗になる前には抜けるだろう。

雨は上がったとは云えど、薄暗い空の下、えらい寂しい山道を進む。路面はしっかり濡れていて、とても飛ばすような状況ではない。まあいいかと進むうち、飛ばすとか飛ばさないとかでないレベルの路面状況になってきた。

ともかく、濡れた落ち葉がすごい。路面を埋め尽くしている。そして、時には道の中央付近にまで折れた枝が張り出していたり、流出した砂利で完全の舗装が埋もれていたり。

これはもはや廃道一歩手前というか、オンロードって風情じゃないよなと。



ともかく慎重に走るしかないので、フルカウル的な走りなどまるで出来ないのだが、それはそれで何だか面白くて、自然と笑みが出てしまう。

何度か分岐があり、間違って御荷鉾スーパー林道に入ってしまいかけたりしつつも、わりとあっさりと峠のトンネルに出た。

峠を抜けると、展望が開けていた。



黄昏時の荒れた空模様が、荒れ果てた寂しい峠道になんとも似合っていて、えも言われぬファンタジー感を醸し出していた。この場合、前後に行き交う人も車もいない峠の寂寥感というのが非常に大事なスパイスであり、なんだか何かの物語の主人公にでもなったような気分で、エアー使命感を感じながら遠い目で山々の彼方を眺めると実によい気分だった。

この後、道は下って、しばらく行くとやがて民家が現れ、下仁田の街に抜けた。

南牧の道の駅がギリギリ空いていたので、柚味噌だけ買ってみた。もはや食堂は開いてないし、そのまま下仁田ICまで走り上信越道に入る。

が、ここからが地獄のような大渋滞だった。今日は午前からずっと走っていて特に混んでる印象はなかったのだけど、それはやっぱり俺が酷道ばかり走っていたためらしい。

上信越道、関越、圏央道、東北道という北関東高速めぐりのようなルートで帰ったが、かなりの区間が激しい渋滞で、事故もいくつも起きていた。

まあ、俺はひたすらすり抜けだったので、少し気疲れして時間が余計にかかったなという程度だったが、本当に地獄だったのはあの完全停止状態で東京までの道のりを走っていたドライバーの皆さんであろう。お疲れ様でした。あはは。

振り返ってみればこの日は、がけ崩れに突然の天候悪化に紅葉に風化しつつある旧道にと、なんだか自然とのふれあい満喫旅という感じでなかなか面白かった。

ただ、路面状況が終始おぼつなかったせいで走りの面では存分にとはいかなかったので、本格的に寒くなる前にまた行かなかくては。


・・・そういえば、最後に関係ないけどNinja250の新型がモーターショーで出てますね。Ninja250とNinja250SLの良いとこ取りしてさらに強化したような、250としてはこの上なく完成度の高いマシンではないかと思った。・・・けど、あれだと、同じ車体に400ccを積んだNinja400の方が気になる。それこそ、125の車格に250を積んだSLのような、軽さのアドバンテージというものが期待できるだろう。・・・けど、それで400となると、「じゃあもうZ650とかで良くね?」という気分になってくる。そうなると・・・とキリがなくなってくるので、やはりもうしばらくはSLに乗ろうと結論するのであった。

コメント

このブログの人気の投稿

Ninja250SLのパワーアップ

先々週、テム・レイの回路的な何か(imap)を組みこんだ我がNinja250SL。 もちろん、その効果を確認するべき最高のステージとしては、このバイクを購入以来何度となく走っている奥武蔵グリーンラインをおいてない、そこで、それがどんな道なのかよくわかっていないままに迷い込んでしまってキリのない低速コーナーと狭い道幅と荒れた舗装に四苦八苦している大型バイクをいかに爽やかにカモれるかという嫌らしい方法で確認するよりない、とそう思っていた。 だが、どうやら最近の気象予報士は梅雨が「あける」という言葉の意味を知らないか意図的に曲解しているに違いないと思わせるほどにここのところ関東の天候はグズグズとぐずついており、朝5時半に起床して外をみると鉛色の空と、iPhoneの天気アプリが示す「午後は突発的な強い雨と落雷に注意」みたいな警告に二度寝を決める週末が続いていて、はたしてあの回路はうまいこと作用しているのかいないのか、悶々とした日々が続いている。 ということで、今日は朝飯を食ったあと、ツーリングとはいかないまでも、雨が降り始めたらすぐに帰ってこられる近所での試走くらいはと思い、ちょっとだけ走ってきた。 結論から言えば、imapは効くね!テムレイの回路とか言ってゴメンよ!という感じでした。 久喜の田んぼ。中央に白鷺が。

Ninja250SLに強化回路を搭載

禁断の領域に手を染めてしまった気分である。

Ninja250SLのAIキャンセル

二次エアキャンセルとも呼ばれますね。やってみました。6時間かかりました。 過去の愛車達は、ステッカーチューン()とかアルマイトのハンドルつけるとか、バックステップとかメッシュホースとか、盆栽とまで行かないまでも見た目メインのカスタマイズをよくしてましたが、このNinja250SLに限ってはなぜか、中身の地道なカスタムに走っています。レーサーでもないのに・・・。  とは言え、SLは元のパワーが小さいだけに、そこらのワインディングや高速道路でもすぐに限界性能が試せますから、そういうカスタマイズの変化がわかりやすくて楽しいというところもあります。なにせ、1速でも全開にしたら追い越しレーンペースに突入するような大型SSとは違い、Ninja250SLなら高速道路の流れ乗ってるだけで4速全開くらいできますしね。狭い峠でもレブリミットまで回せますし。 買ったキットに「AIキャンセル」と書いてあるのでそれをタイトルにしました。 以下、取り付けレポートです。