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Ninja250SLで行く中津川林道

11月の後半にずれ込んだ前回のツーリング、伊豆魚食ツアー(〆はマクドナルド)で今年は走り納めかなと思っていたのですが。なにせ、今年は11月にさいたまで積雪までありましたし、下手に峠に行って凍結路で滑ったりしたらシャレになりません。

なのですが、なんだか週末は天気もすこぶる良いようだし、家庭の予定も特になし・・・そこで、しばらく前から気になっていた「三国峠(埼玉―長野)」に行ってみようと思い立ちました。ツーリングマップルによれば「約17kmの連続ダート」ですが、Ninjaでどこまで走れるものか。

まあ、Ninjaで林道と言えば無理を感じますが、「KLXのエンジンを持つオフ車並みの軽さ・細さのバイク」で林道に入ってみると考えれば、わりと普通のことのようにも思えてきますから、けっこう行けるんじゃないかと期待できます。

冬の到来を感じます。

そういうわけで、まあ行けるところまで行ってみようというライトな決意とともに、Ninja250SLでは初めての未舗装林道ツーリングに出かけてみました。




時期も時期なので、そう朝早くでることもなかろうと8時少し前くらいにさいたまの自宅を出発。早過ぎると街中でも路面が凍っているやも知れぬ、とちょっとビビったということもあり、最近少し夜更かしが続いていたので急に早起きできないという事情もありました。

R463で西武地域を目指しますが、今日は体力と時間の節約のために奥武蔵グリーンラインは通らず、素直にR299で秩父へと向かいます。R299は景色はそう悪くないのですが、交通量が半端に多く、カーブも半端でつまらない道という印象があります・・・。

横手駅を過ぎてしばらく行ったコンビニで最初の休憩。さいたま中心部からここまで1時間強です。道も覚えてきたので、秩父にくるのは気楽になってきました。

とりあえず駐車場はだだっ広いサンクス。空は青い。

缶コーヒーを買ってトイレを借り、あとは駐車場で一服。本当によい天気で空は高く風もない・・・とは言えさすがに結構寒い。今日の装備は伊豆の時と同様に冬用登山靴下+革ショートブーツ、防風デニム+ヒートテックタイツ。だが、上半身はスノボー用のジャケットの下にセーターとダウンベストです。スノボーのジャケットはよく考えたら10年近く経っている年季ものですが、アウトドアメーカー(Columbia)のものなので山用ジャケットのような見た目だし、たいして使ってないのでさほど傷んでおらず、我ながら都合のよいものを発掘したなと。防風性も高く、ポケットも多く、なかなか機能的です。まあ、新しく買うのであればバイク専用のにしますけどね・・・。

もちろん、手については袋+軍手。

この装備なら、「寒いなあ」とは思っても、震えたり凍えたりするほどのことはありませんでした。朝の時点でそんなもので、昼には暑いくらい。とはいえ、この日は気温が10度を超える好天だったので、厳冬期にはもうちょっとつらいかも。


それにしても、このクソ寒い時期になっても次から次へとライダーがやってきます。元気なことだよまったく。仲間と来ているライダーはたいがい寒さについて話をしています。それも変に楽しそうに。やはりライダーは基本的にマゾというか、より正確に言えば「過酷なシチュエーション」が好きなのだろうと思います。

道の駅あしがくぼ・・・はいつも通り混んでいるので素通りし、そのまま秩父へ。

正丸トンネルを抜けたあたりからぐっと寒さも増し、また山の北側に入るので日陰になり、なんだか路面が凍ってないか心配になってきます。実際にはこれ凍ってねえよなぜんぜん、と思いつつも、こういう場合は慎重を期して損はないので、よく路面を見て控えめに走ります。

秩父の市街に入り、R140との交差点に到達すると、警官がいて、そこから先が通行止めにしていました。

途中からちらちら看板が目に入ってはいたが、今日はなんと、かの有名な「秩父夜祭」の日だったようです。まあにわか埼玉人の自分は行ったことないし、なんかすごいとか言ってるけど、田舎の祭りでしょ?とか思っていたのですが、実際、かなりの規模の祭りのようでした。

興味をひかれたものの、祭りの規模がでかいだけに交通規制などもすごくて、気軽にちょっと止まってちょっと見物できる感じではなかったので、素通りしてR140を西へ。

ほどなく「道の駅あらかわ」に到着、二度目の休憩をとります。

道の駅あらかわは何度か通りかかっていたけど、いつも道の駅「あしがくぼ」か「ちちぶ」に寄った後なので素通りしていました。ですので、今日は狙って入ってみた。


入って見たら、なかなか良さげな雰囲気。とくに、変にライダーが多くないのが良いです(笑)。自分も乗っていてこう言うのもナンですが、あしがくぼみたいに大量のライダーがいると、音も煩いですし、なんかこう、場の雰囲気も世紀末っぽくなってくるじゃないですか。別にその個々人には恨みも文句もないのですが、どうしたって肩パットや膝あて、革スーツを着たいかつい男たちが大勢たむろっているという事実そのものが、


この空気を想起させるのはやむを得ない。


道の駅あらかわ
ここは静かでした。

ライダーは入れ替わりやってきますが数台程度。昼にはクルマも増えてくるでしょうが、やはり秩父エリアの中でもぐっと奥の方にあるので、芦ヶ久保や秩父に比べると人が少ないのでしょう。



飯にはまだ早いと思ったので、ぱっと見て気になった銀杏だけ購入。「藤九郎銀杏」が何なのか不明でしたが、やけに粒が大きく美味そうに見えます。・・・・いま検索したところ、もとは関西の方で突然変異で出来た品種で、接ぎ木によりそこそこ増えているそうです。やはり、大粒が特徴だそうな。


再度出発、R140をしばらく進みます。

以前にここを通って三峰神社へわらじカツを食べに行った時には、もっとクルマが多かったように思いますが、この日はガラガラでした。たまに地元車がいるくらいなので、ほとんどロンリー状態で快適走行。

雷伝廿六木大橋と滝沢ダム

ループ橋というのは、何か不思議に盛り上がるものがあります。

が、それは走っていて迫りくる巨大構造物の迫力であって、走ってみると単調で、走行自体はたいして楽しいものではない気がします。なので、ムキになって飛ばさずに、左右の眺めを楽しみながら走るのが正解。・・・・当たり前だって?いえ、若かりし頃は「ここなら膝擦れるかな!」とか変な勘違いしながら頑張って走っていたので・・・。


滝沢ダム=もみじ湖を左手に見て進む

ダムを越え、もみじ湖の湖岸を走る道も爽やかです。山なのにところどころすごく開放的な雰囲気があります。

しかし、これが「秩父もみじ湖」で、近くにあと「秩父さくら湖」「秩父桃湖」「秩父湖」って・・・すげえ適当に名前つけたな、といつも思ってしまいます。次は梅湖あたりか。いや、かわいい感じのを狙ってるようだから、かえで湖あたりでしょうか。そしてきっと萌えキャラの4姉妹とかにしてアニメ化→聖地化を狙うのに違いない。


さて、しばらく進んで、中津川大橋の手前で右折。

R140自体は、春に友人の案内で雁坂トンネルツーリングをした際に通っていますが、ここからは未体験ゾーン。

自分は神奈川→東京→埼玉とずっと関東に住んでいて、ライダー歴もそこそこあり、車でも釣りやドライブをするので特に国道なんかだと、わりとそこらじゅうの道を走っている方だと思います。なので、やはりこういう初めての道は心が躍るものがあります。今回のように行き先に不安があるとなおのこと。



中津川渓谷。不安を煽る電光掲示板。

R140も空いていましたが、右折して中津峡に入ってからはさらに空いてる、・・・というか誰も走ってない。道は2車線で、思いのほか綺麗。

ですが、繰り返し現れる凍結警告と、深い谷の暗さが不安を煽る。調子こいてハイスピードでコーナーを抜けたら湧き水が氷の川を作っていた、なんてことがあったら死んでしまうので、安全マージンを十分にとってタラリラと走ります。



秩父夜祭のポスター撮影地だそう。

途中で、「秩父夜祭ポスター撮影地」というおざなりな看板があったので寄ってみました。ポスターは紅葉が見事で、かつ、はしゃぐ女子でにぎわっていた気がする(忘れた)が、ともかく今は枯れていて無人でした。

道が心細くなってきた

さらに進むと、道幅が俄然狭くなり、なんとも心細くなってきます。そして私の心はむしろ猛ってきます(笑)。

写真をとろうと止まった際に、念のために路面に手をあててみるも、さほど冷たくはない。凍るというような温度ではない。

ついに凍結

が、さらに進むと、なんだかいやに路面が白い。

道自体は凍っていないようだが、植物が凍っているというか霜が融けていない感じ。ツルツル滑るわけではないが、低温ではあるはずなのだから、警戒レベルの引き上げが必要。


ついに舗装が切れる

道が白く霜ってからほどなく、ふいに舗装が切れる。なんだか楽しくなってきます。

とは言え、整備されたダートという感じで、これなら十分走れます。砂利敷きの駐車場を延々と走るのだと思えばいい。

轍や穴もあまりないので、結構らくに走れますが、もちろん十分に注意が必要です。ロードタイヤでも加速は出来るし、だいたい真っ直ぐも走れます。その点においてはこのくらいの道なら、がしっとニーグリップしていれば問題ない感じです。
が、曲がらないし止まらない。なので、スピードを上げることが可能でも上げないようにしないといけない。まあ、林道はそもそもオフ車やジープで遊ぶための道ではなく、林業関係者などがわりと普通っぽい車で通勤?などするための道のはずです。だから、使われなくったような道でない限り、オンロードバイクでも走れるはず、というのが道理です。

が、林道の設計速度はだいたい20km/hとか30km/hなわけだから、要はそういうペースを越えては危険だと。ま、オンロードバイクのオフロード走破性は普通の乗用車以下だろうから、さらに控えめというくらいにしておくべきでしょう。

私は、ダートに入ってからは何度かわざと直線で後輪をロックさせて、「ああ、こりゃやっぱ滑るな」と確認しつつ進みました。

などと言いつつも、普通に面白いなこれ・・・と、ぐいぐいと進んで、王冠キャンプ場へ到達。

すると・・・

ここまでのようだ・・・


キャンプ場を通り過ぎようというところで冬季通行止。

ガビーン・・・・って、本当はわかっていたのですけどね。

途中で何度も書いてあったし、それ以前に、前日にネットで検索して、この道がすでに通行止なことは知っていました。が、とりあえず来れるところまで来てみたかったのです。三国峠を越えてみたかったのですが、ともかくまずここまで来れないなら、三国峠を越えるのも無理なので。

来年の春まで状況不明で待つのもいやだし、ネットで全部検索して調べ上げてしまうのもつまらない。だから、とりあえず通行止のところまで来て、来れたら来春にはその先も行ってみようと。





キャンプ場の草地は霜だらけ

キャンプ場もすでに閉まっているので、非常に静か。


実はこの先が急にガレ場だったりして・・・・と思い、徒歩で少しだけ先の様子を見に行ってみました。



なんてこと無さそうな雰囲気ではあります。全線がこれで行けるか不明ですが、ともかく来春には行けるとこまで行ってみたいと思いました。


既に昼をまわっており、朝早くに食パンを食っただけなのでさすがに腹が減ってたので、来た道を戻ることにしました。

ついでに、流行りの走行動画を俺も撮影してみることに。私はブルジョワジーではないので、GoProとかそういうものはもちろん持っていません。


走行動画撮影システム

タンクバッグのジッパーをフロント側で開けて、そこにiPhoneを刺しました。で、タンクバッグ上部についていた、(たぶん)グローブなどを仮止めするためのゴム紐を回して固定。これで抜けにくくなりつつ、前傾していたiPhoneが立ち上がります。念のため、ガムテで補強。

我ながら杜撰な仕事だと思いますが(せめてガムテをもう少し綺麗に貼れないのか)、それなりに撮れて面白かったです。

その動画がこれ。






ちょっとiPhoneが傾いていたようです。あと、こういう動画って無駄にスピード感でるのだなと思いました。タコメーターを見れば、全然回していないというのがよくわかると思いますし、実際、自転車よりは少し速いか?くらいのペースです。コーナーもしんどいですが、落石というか、大き目の石や、溝っぽい部分などあれば、オフ車以上にきっちり避ける必要もあるので、神経を使います。が、そういうアクション要素的な何かが面白くもあります。

ダートを抜けて少し行くとこまどり山荘という温泉・休憩施設もありましたがこちらも閉館中なので、R140まで一気に戻ります。途中の集落でバス待ちをしている婆様など見てしまうと、いかにもな光景だと思うと同時に「もっと市街に引っ越せばいいのに」といつも思ってしまいます。まあ、何かの事情や気持ちがあるのでしょう。通り過ぎるだけの私などは知らないでいい何かが。

R140 を秩父方面に戻りながら、食事場所を探します。

蕎麦屋が数軒あったもの、今日は珍しく蕎麦の気分でなかったので迷いながらもパス。

ダム下流の広場に行ってみたが、何もないし誰もいませんでした。


滝沢ダム下流の広場にある「草薙の水」。飲める。

不動滝です。すぐ横の社に剣を模した何かが奉納されています。で、水がホースでひいてあって、飲料水と書いてありました。この滝の水なのだと思います。ちょっと飲んでみましたが、そこはかとなく「野の水」という感じがしました。

「不動滝広場」で良かったのでは。

結局、道の駅あらかわまで戻ってきてしまったので、ここで昼食にしました。空腹のまま走ると事故るし。過去に、朝飯を抜いてツーリングして昼飯を探していたら事故ったことがある。


まあ、朝に寄った時点でわりと食事がうまそうだと眼をつけてはいたといのもあります。


鈴ひろ庵 きのこカレーうどん(鹿肉)

朝、銀杏を買う際にきのこを仕込んでいる様子が見えたので、きのこメニューが良いなあと思っていたら、鹿肉も入っているというカレーうどんがあったのでそれにしました。気分的にはモンスターハンターの特産キノコ的な気分でキノコをを食します。

鹿肉は、なんというか、うまいよ。うん。独特の香りがあり、これが人によっては「臭い」になるかも知れませんが、ラムとか好きな人には美味いと思います。もっとも、このメニューでは濃い味で煮てあるし少量なので、牛豚鶏以外苦手の人でも、単に話のタネとして食えると思います。

で、意外(失礼)なことに、カレーがうまかったです。「今度はカレーライス食いたいな」と思ってしまうくらいには。カレーうどんのカレーって甘めのイメージがありますが、ここのは結構黒くてスパイシーというか、ジャワカレーのような感じ。本当にジャワカレーだったりして。まあ、どうあれ、うまいです。

鈴ひろ庵 モンブランソフト

そして、気に入ったのがこれ。
カレーうどんを食ったせいですっかり温まり、ソフトのひとつでも食ってみるかという気になりました。ここはソフトに生のフルーツなどトッピングしたものが多種類あります。当然だが普通のソフトより少し高く、種類により価格が違います。このモンブランソフトはとくに高く420円。おいおい、普通にケーキ屋でケーキ買える値段だぞ?と思いましたが、「自家栽培の栗」というフレーズに惹かれて購入

これが・・・非常にうまいです。

栗は和栗だと思いますが、よくある甘栗より二回りほど大きいです。ピンポン玉に近いくらい。それを半分にしたものが両面にはっ付けてある。写真の栗を甘栗と思うとソフトが小さく思えますが、ソフトはちゃんと普通に大きいです。その渋皮煮になっている大きな栗が実にうまいです。栗として期待される栗の味をしっかりと感じさせてくれます。かつ、まわりについているペーストもまた美味い。これは逆に、下手なケーキ屋のモンブランより美味いぞ・・・と、結構驚いてしまった。

次回に秩父ツーリング来たらまた食いたいなあ。とも思いますが・・・・


ソフト各種

このように他にもうまそうなのがいろいろあるので困ってしまいます。

林道走行の後、やはり緊張が強かったのかちょっと頭が疲れてしまった感じがあったのですが、飯を食い、うまいソフトも堪能し、一服してさらに歯磨きもしてすっかりリフレッシュできました。

その後、秩父夜祭の渋滞を懸念しつつ進むも、さほどの渋滞でもなく(多少並んでたが、すり抜けられたので)。

祭りも気になりましたが、やはり駐車ができないし・・・実際、香具師の露店とか、さほど好きでもないんだよねということでパス。来年はうまく計画できれば夜にでも来てみたいかなあ。


最後、R299とR140の交差点のところにある、なぜか引き付けられる肉屋、「ひつじや」。



気温も低いので帰りだけならもつだろうと、ここで土産に味付けモツを購入。200g買って200円ほど。量り売りで袋に詰めてくれるので、それをタンクバッグに押し込み出発。

なお、揚げ物も人気のようで、それは過去に食ったことがあります。うまかった気がします。まあ、肉屋の揚げ物はたいがい美味いのですが。


帰りは、定峰峠に入り、白石峠→都幾川→R254バイパスというルートで帰宅。この道はわりと流れがよく、具合がいいです。
このルートを開拓する前は、R463は夕方には混むのでなるべく避けたいが、小川あたりから関越に入っても、浦和を目指すとどういっても迂回するし、所沢で降りてしまうとその先の一般道が結局長いのでどうしたものかなと思っていたのですが。
覚えてしまえば一層楽に走れるだろうから、今後も活用しようと思います。


3時半くらいには帰宅して、妻子に晩飯を用意しつつ、銀杏を炒って食ったり、モツをキャベツと炒めて食ったりしてみましたが、どちらも美味かったです。モツは臭みもなく気に入りました。今度は、簡易保冷バッグくらい持っていって、もうちょっと買ってみようかなとか思いました。

今日は結局、林道ツーリングというより日帰りB級グルメツアーみたいになってしまいましたが、なんだかそれはそれでツーリングらしいツーリングをした気分です。

春になったらまた中津川林道にチャレンジするという楽しみもできました。

けど、それまで待ってるのもなあ。どこか閉鎖してなくて荒れてない林道を探して、本格的に雪が降る前にまた行ってみようかなとか思いました。

でも行けるかなあ。大掃除とかもしないといけないしなあ。

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